日本人の体型は、食生活やライフスタイルの変化にともない年々欧米化しているといわれる。例えば足。これまで一般的に「幅が広くて甲が高い」といわれてきた日本人の足の特徴に当てはまらない女性が増えてきたし、長さや細さといったサイズはもともと一人ひとり異なる。それなのに、対応する商品はワンサイズだけとか、いくつかの決まったサイズ展開のみということが多かった。その結果が、合わない靴を我慢して履いていた女性からの「パンプスを履くと足が前に滑ってしまう」といった悩みにつながっていた。「中敷やフェルトで調整しなくても、ぴったりする靴はないかしら」という声も寄せられていたという。
高島屋ではこの秋、サイズバリエーション豊富なオリジナル婦人小物を発売。靴や帽子、手袋など、従来の既製品では合うサイズがなかったという女性客の購買につなげるのが狙いだ。
高島屋ではこれまで寄せられた声をもとに、サイズバリエーションが充実したオリジナルパンプスを発売した。靴を買う時、22.5センチや23センチといった長さだけでなく、これまでに比べてぐっと足幅の細くなったB、Cサイズいずれかを選べるようになった。気に入った色・デザインを楽しむ「おしゃれ心」と「履きやすさ」の両方を満足させる商品として好評だという。
高島屋広報の三尾まゆみさんは、「合う靴がなくて…と悩んでいるお客様は予想以上に多いようですね。このパンプスはデザインもシンプルなので、幅広い年代の方にお勧めできます」と話す。高島屋ではその他、売場での声を反映した「VOICE・FILE(ボイス・ファイル)」シリーズとして、手袋や帽子も発売している。
※画像はイメージです。実際の商品とは異なる場合があります。商品は一部店舗で取り寄せとなります。
これまで日本で作られてきた婦人靴の幅は、JIS規格(日本工業規格)で定められたサイズの中でも、「E木型」と呼ばれる幅の広いタイプがほとんど。高島屋の靴バイヤーと婦人靴メーカーのエースが開発したこの商品は、足の細い女性向けに、幅の細い「B型」「C型」の2サイズを用意。ぴったりとしたフィット感と歩きやすさを追求した。また、デザインは、フォーマルな装いにも合うシンプルなものから、ストラップ型など全9種類。「スカートやワンピースに合うエレガントな靴が履きたかった!」という足幅の細い女性にお勧めの商品だ。
ワイズ(足幅)B型・C型/21.5~25センチ/カラー全8種(黒、茶、ダークブラウンほか)/23,100円~26,250円(税込)
手袋の中でも、洗練されたイメージのある革手袋。「いざ挑戦」と思っても、指が長すぎたり、甲周りが大きすぎてぶかぶかしてしまうといった悩みが、これまでは寄せられていたという。高島屋では「ランバン」と共同でオリジナルのミンクファー付き革手袋を発売。指の長さはS、M、Lの3種。手の甲周りも18、19、20、21、22センチと細かくサイズ設定され、それぞれを掛け合わせた全15サイズの中からぴったりのものを選べるようになっている。「できる限り多くの人にぴったりのサイズを」という配慮が効いている。
全15サイズ/カラー全3種(黒、茶、ベージュ)/11、550円(税込)
通常の婦人帽子はS(56センチ)、M(57.5センチ)、L(58.5センチ)の3サイズ。高島屋では、これまでのサイズ設定では大きすぎて合わなかったという頭の小さい人向けに、SSサイズの帽子を発売(1サイズのみ)。「髪のボリュームが少なくなって、頭のサイズも小さくなって…」という女性のおしゃれ心も満足させられる商品。フルオーダーに比べ、価格も抑えているので、いつもの装いに手軽に取り入れられる。デザインはキャスケットなど5種類、カラーは全3色での展開。日本橋店でのみの販売。
SSサイズ(54.5センチ)/12,600円(左)、13,650円(右、いずれも税込)
業界最大の売上高を誇る老舗の百貨店。天保2年(1831)に初代飯田新七が京都烏丸で創業した呉服店が前身で、株式会社化は大正8年(1919)。3年後には、大阪長堀橋で近代的百貨店経営を始めた。早くから海外進出を試み、昭和33年(1958)には、日本ではじめてニューヨーク5番街への出店を実現する。
現在は、旗艦の日本橋店をはじめ、国内に20店舗、海外に4店舗(ニューヨーク、パリ、台北、シンガポール)を展開。地下食料品の品揃えが豊富な日本橋店、若者が集まる新宿駅直結型の複合施設「タカシマヤタイムズスクエア」、併設するショッピングセンターが全国のモデル的存在となった玉川店など、各店ごとに特色がある。
数多くのヒット商品、トレンドを生み出し、海外ブランドを積極的に採り入れるなど、進取の気性に富んだ社風は今も健在。今や日本でもよく知られているフォションを最初に日本に紹介したのも髙島屋だった。http://www.takashimaya.co.jp/