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退職金推定50兆円! メガバンク、団塊「囲い込み」

   「2007年問題」ともいわれる、団塊世代の大量退職がいよいよ始まる。07年~09年の間に60歳を迎えるのは約650万人。そのうちの約300万人が就業していて、退職金をもらうと推定される。3年間の退職金総額は推定30~50兆円になるともいわれている。これらの資金を狙って、メガバンクなどがシニア顧客の囲い込みに本腰を入れ始めた。

   三菱東京UFJ銀行は2007年1月4日から、団塊世代を中心としたシニア向けの会員制組織「Quality Life Club」を発足。これにあわせて、大手旅行会社のJTBグループなどと共同でサービスを提供する。

みずほ銀行は「退職金特別金利プラン」を開始

みずほ銀行は「退職金特別金利プラン」を開始
みずほ銀行は「退職金特別金利プラン」を開始

   金融情報や資産運用アドバイスなどは同行とFPアソシエイツ&コンサルティングが、旅行情報をJTBグループとJR東日本が、また健康同人社が24時間365日の「健康サポートダイヤル」による無料電話相談、医師の無料紹介状の発行サービスを提供する。
   「トラベル&エンターテイメント」「健康」「金融資産」と、人生ひと区切りついた団塊世代には“必需品”のプログラムを用意した。

   みずほ銀行は4日から、「退職金定期預金特別金利プラン」の取り扱いを開始した。06年6月にスタートした退職金運用総合対策「第二のスタート応援プラン」の追加策で、円定期預金の金利を優遇する。退職金の運用先、運用商品を決めかねている顧客の当面の受け皿として用意した。申込期間は3月30日まで。

三井住友は資産運用キャンペーン

   預入金額は500万円以上退職金の受取金額までで、申し込み時に退職所得の源泉徴収票などが必要になる。金利は、1カ月もの定期の初回適用金利を年3.0%(税引き後年2.4%)、また3カ月もの定期を年1.0%(同0.8%)に設定した。新年を迎えて、さっそく、団塊世代を囲い込む算段だ。

   三井住友銀行は4日から、資産運用キャンペーンを実施。「とくに団塊世代を意識したキャンペーンではない」(広報部)とはいうものの、100万円以上の資金を投資信託や外貨定期預金、特約付預金、外債に預け入れた人に、抽選で本格懐石料理をペアで200組を招待するなどのプレゼントがある。3月までの毎月、宿泊券や食事券などプレゼント賞品が替わる。
   同行も06年4月に、メガバンクでは先行して会員制組織「One’s Next クラブ50s」を発足。同7月にはJR東日本と提携して旅行情報の提供。また趣味やスポーツ・ヘルスケアといった多彩な情報や体験の機会を季刊誌やセミナーを通じて提供している。「正確な会員数は把握していないが、ジワジワと増えています」(広報部)という。
   会員については、口コミなどで緩やかに広がっていくことを期待しているようだ。