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ソフトバンク料金新プラン ライトユーザーや中小企業狙う

   ソフトバンクモバイルが携帯電話の料金プランを追加し、2007年1月16日から販売を始めた。「ホワイトプラン」と名付けた新プランは月額基本料が980円で、業界で初めて1,000円を切っており、使用条件にあれこれ制限をつけて物議をかもした「ゴールドプラン」と異なるシンプルさが売り物だ。06年10月の携帯電話の番号継続制導入以降、KDDI(au)の独り勝ちが続く中で、ソフトバンクは携帯をあまり使わないライトユーザーを取り込むことで巻き返しをはかり、入学・就職で携帯電話が最も売れる春商戦に臨む。

「今度はだいぶわかりやすくなった」

新プランでの巻き返しなるか?
新プランでの巻き返しなるか?

   新年早々の5日、記者会見した孫正義社長は「最初にこれを出せと言われるかもしれない」と言うほどホワイトプランに自信を示した。ソフトバンクの加入者同士の通話は、午前1時から午後9時までは無料で、他社の携帯へは一律30秒21円だ。プランの利用では、携帯端末の購入で割賦販売を義務づけることもしない。

   月額基本料を1,000円以下にしたのは、「他社と似たり寄ったりの料金だったり、2~3割安いだけでは意味がない」(孫社長)から。10月に発表したゴールドプランを「通話料無料」と広告宣伝し、公正取引委員会に「警告」された反省を踏まえて、ホワイトプランの料金体系は極力シンプルにした。「今度はだいぶわかりやすくなった。どこにもひっかけと批判されないように配慮した」。公取委にも事前に説明済みだ。
   この新プランの販売で期待しているのは、「電話するのは家族だけというおばあちゃんや小中学生」で、ほとんど電話しないので、安い基本料だけですむ。「たくさん通話する若い人や学生でも頻繁にかけるのはせいぜい2、3人。その仲間でいっしょにソフトバンクに入れば、午後9時まで無料」と孫社長はPRする。「中小企業の社員が5人、10人とまとめて入ってくれれば、トランシーバーのように使える」とも言う。

「仲間で加入を」と強調するしかない状況

   自社間通話の無料を最大限アピールし、「家族や友人、社員と仲間が連れだって加入を」というのがソフトバンクの基本戦略だ。裏を返せば、他社携帯を長く使って継続割引で縛られたユーザーの切り崩しがあまり進んでいないとも言える。06年の契約数でソフトバンクは、前年の純減から37万9,800件の純増に転じたものの、番号継続制による転入・転出分では約12万件減少している。
   同社が06年12月に流したゴールドプランのテレビCMでは、女子大生4人が登場し、同社以外の携帯電話を使う人は仲間はずれにされるかのような部分があった。「あ、そっか。ソフトバンクじゃないんだ」などと会話することで、仲間でソフトバンクに入ろうと訴えるつもりが、いじめが社会問題化する中で逆効果となり、苦情が殺到するミスを犯した。それでも、「仲間で加入を」と強調するしかない状況におかれている、とも言えそうだ。