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稲取の新・観光事務局長は 「中国」学ぶ現役大学院生

   事務局長を公募していた静岡県東伊豆町の稲取温泉観光協会は、東京都豊島区在住の渡邊法子(46)さんを選んだ、と2007年2月7日に発表した。1281人の応募者の中から選ばれた渡邊さんは、NPO全国まちづくりサポートセンター事務局長として活動する一方で、博士課程で中国哲学を専攻する現役大学院生だ。

「稲取も海外からの集客を目指せるといい」

稲取温泉観光協会は事務局長募集で「年収700万円、家賃無料の家付き」を公言し話題となっていた
稲取温泉観光協会は事務局長募集で「年収700万円、家賃無料の家付き」を公言し話題となっていた

   TBS系情報番組「ピンポン」に07年2月8日生出演した渡邊さんは、功績に応じて町からインセンティブが与えられることに関連して、

「国もビジット・ジャパン・キャンペーンを実施しているように、稲取も海外からの集客を目指せるといい」

   とコメントした。
   ビジット・ジャパン・キャンペーンとは、03年から国土交通省が中心となって外国人旅行者の訪日を促すプロジェクト。「一生勉強しながら生きていきたい」と03年に東洋大学大学院に入学し、中国哲学を学ぶ渡邊さんにとって、得意分野でアピールしたいという気持ちがあったのだろう。

   静岡県も5年ほど前から外国人観光客誘致を行う「THE OKAMI」の会を支援している。会では、伊豆地域の女将さんが地域のPRを行うとともに、外国人を受け入れ女将の仕事を体験してもらう「女将体験ツアー」を企画、実施しており、海外への情報発信にも力を入れる。

3人の子供を育てるスーパーシングルマザー

   観光客が激減し、温泉街の活性化に取り組む稲取温泉観光協会も、渡邊さんへの期待はこのあたりにあったようで、

「渡邊さんのNPOでの活動を評価し、新たな着眼点を町に与えてくれると期待している」

   とJ-CASTニュースに話した。

   渡邊さんはNPOの活動で、古代の歴史を生かした地域振興に取り組んでいた。その一つとして、京丹後市の「古代ロマン街道づくり」にも携わっていた。京丹後市は京都府の最北端にあり、古代から大陸・朝鮮半島と活発な交流を行なっていた土地だ。

   その一方で、ロックが趣味だそうで、07年2月8日の毎日新聞によると、

「稲取にはすばらしい歴史、資源、人があふれている。ビートルズの歌が似合う街」

と話している。3人の子供を育てるスーパーシングルマザーは、すべての面でユニークだ。