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動画再生サイト「Rimo」にも著作権問題?

   検索エンジンでも分からない事を多くの人に調べてもらえる「人力検索サービス」などを運営する「はてな」が、インターネット上で動画を再生するサービス「Rimo(リィモ)」を2007年2月16日からスタートさせた。「おもしろくてなおかつ便利だ」と、人気を集めている一方で、「著作権法に違反しているのではないのか」と危惧する声もネット上で飛び交っている。

   Rimoは、動画投稿サイト「ユーチューブ(YouTube)」に掲載されている動画の中で、人気が高いものを自動的にピックアップしたもの。

検索不要、YouTubeの人気動画が次々と

Rimoは人気ミュージシャンの動画も再生しているが、すでに「以下の番組は都合により放送できなくなりました」と削除される動画も増えはじめた
Rimoは人気ミュージシャンの動画も再生しているが、すでに「以下の番組は都合により放送できなくなりました」と削除される動画も増えはじめた

   YouTubeは投稿された動画の数が非常に多く、見たいものを検索するのに手間がかかる。その点、Rimoにアクセスすれば誰でも簡単に人気動画を楽しめるのだ。

   再生画面の左下にマウスを移動すると、テレビのリモコンのようなものがあらわれる。ここで、「音楽」、「お笑い番組」、「アニメ」、「ペット」の4ジャンルのどれかを選ぶと、そのジャンルの人気動画が自動的に送られてくる。興味がないものはスキップすることが可能で、盛りだくさんの動画から好みのものを選択して観ることができる。
   またRimoは、インターネット接続機能がある任天堂の「Wii(ウィー)」を使って家庭のテレビでも再生できる。
   もっとも、アナログのラジオのような音源と、画質の荒い映像は決してクオリティが高いとはいえないが、人気動画を無料で楽しめるとあって、2ちゃんねるでも

「こんなに手軽にヨウツベ(YouTube)を見れて満腹!! 操作が簡単なのが最高だな」

   と好評のようだ。

「JASRACに命を狙われかねない」

    その一方で、著作権に関連して、たとえば2ちゃんねるでは、

「これはヤバい。はてなはトンでもないものを作ってしまった予感・・・・ジャスラックに命狙われんぞ!!!」

    といったカキコミがある。
   これに対してRimoサイト内の「取扱説明書」で独自のサービスをこう規定している。

「YouTubeは利用許諾条件にしたがって公開されているもので、Rimoは、YouTubeに掲載されている人気動画をテレビのように簡単に見るための単なるビューワやブラウザのようなサービス」

   にすぎないから、

「サービスそれ自体が著作権侵害を幇助するものではない」

   としている。

   さらに、「はてな」では動画コンテンツのデータを保持していないのでデータ削除などはできないとし、「問題があればYouTubeに直接連絡するよう」にとし、Rimoには著作権問題はそもそも起こりえないとの立場だ。
   「はてなの命を狙いかねない」とされた日本音楽著作権協会(JASRAC)J-CASTニュースが問い合わせると、

「著作権保有者の許可なく動画を配信、または再生しているサービスは、それ自体が当然違法性を問われなければならない」

   と、Rimoを問題視していることは明らかだ。
   ただ、著作権が問題となりそうな動画配信サービスは、Rimoに限らず非常に数が多いため、

「個々のサイトではなく、これらのサービスを行うサイト総体に対しての対応を検討中だ」

   と、JASRACは語った。