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販売会社のお知恵拝借 三菱自動車の次期投入車種

   安全性にかかわる一連の不祥事で落ち込んだ業績からの「再生計画」最終局面を迎えている三菱自動車は、2008年度にスタートする中期経営計画「ポスト再生計画」の策定中だ。その計画の柱となる投入車種の選定に、国内販売会社の社長たちの意見を取り入れることにした。2009~2010年度の発売を前提とした新型車候補10モデルのデザインモックアップを、販売会社社長に披露してアンケートを実施し、その結果を参考にしながら投入モデルや発売時期などを最終決定する。

09年度と10年度に国内市場で発売する新型車が対象

   2005年度にスタートした現行の中期経営計画「三菱自動車再生計画」は今の2007年度が最終年度だ。07年度内の国内市場への新車投入予定では、8月に3ナンバーセダン「ギャラン フォルティス」、10月に「ランサー エボリューションⅩ(テン)」、年明けに新型軽乗用車を発売する。

   08年度からの次期中期経営計画ではすでに、初年度に「パジェロミニ」後継車と新型セダンの2車種の国内市場投入が決定済みだ。だが2009年度と2010年度に国内市場で発売する新型車は未定だ。これを販売会社の社長の意見を参考にして新型車候補10モデルの中から選ぶことにしたのだ。

候補10モデルには2ボックスのコンパクトカーとセダンの2系統

   新型車候補10モデルには2ボックスのコンパクトカーとセダンの2系統がある。このうちコンパクトカーには軽乗用車「アイ」のプラットフォームを用いた丸みのあるモデルが複数存在する。いずれのモデルも世界市場で販売することを想定しているが、お膝元である国内市場での成功は必須条件だ。

   現行の再生計画では、国内事業は経営の黒字転換を達成し、仕上げの年である07年度に黒字体質の定着と販売会社の黒字化を目指している。次期中期経営計画のテーマは、再生の段階から持続的な成長に向けた基盤づくりへと移行する。その中で国内事業のウエートは依然として高く、国内投入商品の失敗は許されない状況が続く。このため、投入商品の選定にはとくに慎重を期している。アンケートで販売会社の社長が欲しい車、欲しい時期を調べ、そのデータを参考にするのもそのためだ。