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安倍支持率急回復の「評価」 各紙で見方分かれる

   安倍改造内閣の発足を受けて、新聞各紙と通信社が世論調査を行った。各紙とも、参院選惨敗直後の調査に比べて、10ポイント前後も支持率が回復しているが、この数字の受け止め方は、メディアによってばらつきがあるようだ。

日経は28%から41%、共同は29%から40.5%

各紙世論調査による安倍内閣支持率(%)
各紙世論調査による安倍内閣支持率(%)

   2007年8月27日から28日にかけて、朝日毎日読売日経共同の各社が行った緊急世論調査によると、7月30日・31日の前回調査(毎日新聞は8月4日・5日の実施)に比べて、いずれも大きく支持率が回復しているのだ。例えば、支持率で見ると、日経では28%から41%に、共同では29%から40.5%に上昇している。最も支持率が低く出た朝日新聞の調査でも、26%から33%と、7ポイントの回復を見せている。不支持率についても、各紙大幅に低下している(詳細は別表)。

   そうは言っても、各紙とも調査結果の受け止め方には温度差がある。

   例えば朝日新聞1面の脇見出しには「不支持なお53%」という文字がおどり、関連記事には「改造内閣 やまぬ逆風」という見出しで、テロ特別措置法延長への反対の声が強いことを報じるなど、改造内閣の先行きの厳しさを強調している。

   毎日新聞には「7割、長期政権望まず」という見出しも踊っている。首相がいつまで政権を担当すべきかを聞くと、23%が「今すぐ辞めるべきだ」25%が「年内いっぱいで辞めるべきだ」と答えたというのだ。

「これからの首相にふさわしい」のは小泉前首相?

   一方、読売新聞では1面の脇見出しに「『期待できる』55%」とあり、関連記事の見出しも「12ポイント↑で再チャレンジ」と、比較的好意的だ。日経新聞も「改造に一定の評価」との見出しだが、「首相続投には『反対』49%」だとしており、「これからの首相にふさわしいひと」も調査している。それによると、最も多かったのが小泉前首相(18%)で、麻生自民党幹事長(14%)が続いた。

   一般紙はこのように見方が分かれているが、世論調査の結果を引用して紹介している夕刊紙には

「依然『不支持』は50%台」(日刊ゲンダイ)
「安倍ご祝儀支持率上昇」(夕刊フジ)

といった見出しが並び、総じて政権の立て直しには懐疑的なスタンスだ。

   与謝野馨官房長官は8月29日午前の会見で、世論調査の結果について

「これから地道に仕事を続けながら、さらに少しずつでも(支持率が)上がるように安倍内閣全体、政府・与党全体として努力をするスタートになる」

と述べ、前向きに受け止めている様子だった。