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ホンダ・フィット、2代目が登場 走りと室内空間が更に向上

   大ヒットしたホンダフィットが、初めてフルモデルチェンジし、2007年10月18日に発表された。2代目は、低燃費はそのままにパワーアップした新開発VTECエンジンを全面採用。室内空間もさらに広くなった。また4モードのシートアレンジでサーフボードや観葉植物を積むことができ、使い勝手も大幅に向上させた。トヨタ日産等のライバルメーカーも力を入れている分野だけに、競争はさらに激化しそうだ。

「走行性能」に磨きをかけて巻き返し狙う

発表会でスピーチするホンダの福井威夫社長
発表会でスピーチするホンダの福井威夫社長

   07年10月18日に都内で開かれた記者発表会では、福井威夫社長が

「従来のフィットの良いところを何ひとつ損なうことなく、デザイン、パッケージング、走り、安全、環境など、厳しくなったご要望を超える価値を高次元で実現した」

とあいさつ。

「これまで以上に進化したフィットは、さらに多くのお客様に新しい喜びをお届けするものと確信している」

と、新モデルにかける意気込みを語った。

   2001年6月に発売された初代フィットは、ガソリンタンクを運転席の下に備えた画期的な「センタータンクレイアウト」の採用で、クラスを超えた室内空間を実現。優れた走行性能・低燃費と引き締まったフォルムも人気となり、2002年には、国内登録車台数で1位となった。これは、33年間連続トップを維持していたカローラシリーズを抜いて達成したものだ。その後も、人気は続き、常に上位をキープしている。

   ところが、ライバルメーカーであるトヨタは、ヴィッツを05年2月にフルモデルチェンジ。日産もマーチを同年8月、マイナーチェンジをし、攻勢をかけている。そこで、ホンダでは、初のフルモデルチェンジに当たり、「走行性能」を始め、全てに磨きをかけて巻き返しを狙った形だ。

   発表された新型は、排気量ごとに1.3Lモデルと、「RS」と名づけられたスポーティーで上質な1.5Lモデルを用意。すべてにFF、4WD両タイプがある。1.3Lには、Gグレードと、フルオートエアコンなどの装備がプラスされたLグレードがある。また、1.5LのFFタイプには、車好きのために5速マニュアルが設定された。

   人気車だけに、ホンダの開発にも力が入っている。特筆すべきは、まず、シビックなどと同じ伝統のVTECエンジンを1.3Lにも採用したことだ。しかも、現行モデルの燃費そのままに出力を増加させた新開発のエンジンになっている。これにより、1.3Lは、出力が14psアップの100psに増強された。一方、1.5Lも出力を増し、10psアップして120psになっている。

室内空間や視認性が更にアップ

発表された2代目フィットと福井社長
発表された2代目フィットと福井社長

   室内空間がさらに広がったのも、特徴の一つだ。現行より全長で55mm(1.5Lは75mm)、全幅で20mm、ホイールベースで50mmも長くなったためだ。特にリアシートのゆとりは、アコードのような2~2.4Lクラスセダン並みになったという。

   また、大きくなった三角窓で視認性もアップしている。

   気になるボディーデザインは、フィットらしさをキープしながら、前傾姿勢の「スーパーフォワーディングフォルム」を新たに採用した。インテリアでは、シートに、1.3Lが光で輝くラメ入りドット柄ブルーブラックのファブリック素材、1.5Lがスウェード調ブラックの表皮を使用した。それぞれカジュアルさ、スポーティーさを強調している。

   次の特徴は、シートの使い勝手が向上したことだ。ホンダでは、これをウルトラシートと呼び、4モードの使い方を実現している。まずは、リアシートを後ろに倒して荷物のスペースを広げるユーティリティモード。現行と違い1アクションだけで畳むことができる。さらに、助手席を後ろに倒すロングモードにすると、サーフボードやスキー板、釣竿を縦方向に積める。ユニークなのが、リアシートの座面を背もたれまで跳ね上げるトールモードだ。その結果、足元から天井までの広い空間が生まれ、植木鉢や観葉植物を置くことができる。リフレッシュモードは、ソファー感覚で足を伸ばせるシートの使い方だ。助手席のヘッドレスト(枕部分)を外して席を前にスライドさせたうえ、その背もたれを後ろに倒せばよい。

   ボディカラーは、現行より2色増えて12色を用意した。いずれも発売は07年10月26日で、税込み希望小売価格は、1.3LのGが119.7万円(4WD 140.7万円)、Lが134.4万円(4WD 155.4万円)、1.5L「RS」が157.5~178.5万円(4WD 178.5万円)。