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食べて塗って理想のバストになる?30万円~50万円、約1万人が利用

   「豊胸」「バストアップ」に効果がある、というのは虚偽広告だとして、経済産業省は2007年11月6日、東京都渋谷区の化粧品・健康食品販売会社オーグに対し、特定商取引法違反で3カ月間の業務停止命令を出した。1クールの値段は30万円~50万円。それでも1万人が利用したのだというから驚きだ。

「2週間で2センチアップ。感動しました」

「オーグ」のウェブサイトは、すでに削除されている
「オーグ」のウェブサイトは、すでに削除されている

   オーグへの行政処分について経産省は、

「特定商取引法において誇大広告、虚偽広告は禁止されているなか、ホームページ上の広告や、タレントとの対談記事に違反が見受けられた。科学的根拠を示すように求めたが、提出された書類に、合理的な根拠は認められなかった」

J-CASTニュースの取材に答えた。同社のホームページには、「私の場合は2週間で2センチアップ。感動しました」という使用者の声や、タレント細川ふみえさんや三原じゅん子さん、大場久美子さんとの同社社長との対談を掲載。そこでは「バストが大きくなる」「形のよいバストになる」「女性ホルモンの働きが活発になる」などと語っていた。

   同社は豊胸、バストアップのプログラムを「ナパイアブレストプログラム」と呼んでいて、エクササイズ、マッサージ、ジェル、サプリ、正しい食事、下着サポート、の6つの相乗効果で理想のバストに近付ける、と謳っている。03年からこのプログラムを販売し、約1万人が利用。値段は30万円~50万円。この5年間で苦情が消費者センターに30数件出ていた。

   Q&Aサイト「教えてgoo」には07年10月26日に同社に関する質問が出ていて、

「バストアップのタブレット、マッサージジェルを使い約7ヶ月のプログラムで2カップアップするとカウンセリングで言われました。商品は良さそうですが、約48万円かかります」

それで効果があるのかどうか訊ねているのだが、回答は、

「この商品は医薬品ではありませんので、効果効用を謳って販売できません。また、主要成分のプエラリアには副作用があり、天然成分だからと言って安心できるものでは無いです」

というのが1件寄せられていた。

「大きくなるとは思えません」

   J-CASTニュースがエステティックのTBCグループに取材すると、同社広報は、

「胸にオイルを塗るものはあるが、豊胸は扱っておらず、今後も豊胸関連コースの開設はありません」

と話した。なぜ「豊胸」コースが無いのかについては、「わからない」ということだった。共立美容外科はJ-CASTニュースの取材に対し、食品やジェル、マッサージでバストが大きくなるかどうかについて、

「様々な見解はあると思いますが、大きくなるとは思えませんし、大きくならないから、当院のような美容外科におこしいただけるのだと思います」

ということだった。

   しかし、オーグの前原和夫社長は

「感謝の声が数多く寄せられているのに、なぜうちが行政処分になるのかわからない。私はプログラム全体で効果が出ると言っているのに、なぜか経産省はサプリやジェルばかり追求してきた。芸能人との対談は広告ではなく、雑誌が取材に来て、雑誌掲載されたものをアップしただけ」

などと反論している。