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福田首相は「ツンデレ」キャラ? クールに見えて急に泣き出す

   普段はツンツンしていながら急にデレデレする2面性の「ツンデレ」。オタク文化では、これが萌えキャラとされている。そのツンデレに、福田康夫首相が当てはまるのではないかというのだ。最近は、クールなイメージとは別に、国会などで突然泣き崩れる場面も。本当にそうなのか。

月刊誌で精神科医が唱える

福田首相はツンデレキャラ?
福田首相はツンデレキャラ?

   福田首相=ツンデレ説を唱えているのは、オタク文化にも詳しい精神科医の斎藤環さん。月刊誌「Voice」4月号で、「『KY総理』のキャラ分析」と題して、福田首相がツンデレの2面性を備えていることを例示した。

   斎藤さんは、まず「ツン」の側面として、福田首相が記者会見などでしばしば、フフンなどと冷笑的な発言をすることを挙げる。政策でも、北朝鮮の拉致被害者家族への冷淡な対応などに表れているという。一方で、人間くさい「デレ」の側面があるとする。小泉内閣の官房長官時代にハンセン病患者問題で控訴断念を進言したことなどだ。

   ツンデレの由来は定かではないが、2000年ごろにゲームのキャラクターに初めて使われたともされる。02年に2ちゃんねるのスレッドで取り上げられ、05年には「ツンデレ大全」の本も発売されるようになった。人気漫画の少女キャラクター、涼宮ハルヒなどがその典型ともされ、「ツン」と「デレ」のギャップが魅力だという。

   とすると、福田首相は、魅力あるキャラなのか。斎藤さんは、この点を認めたうえで、最近の首相を批判する。

「懸念されるのは、最近の福田総理から次第に冷笑的態度が消えて、低姿勢の、調整と話し合いの側面ばかりが増えつつあるという点だ。暫定税率問題や高速道路建設の問題にしても、なにか、なし崩し的に改革が骨抜きにされつつあるような予感すらある」

ネットでは疑問視する声も

   斎藤さんは、福田首相にKY(空気読めない)言動が目立つようになったのは、年金問題からとみる。記録の一部が特定困難になったことについて、記者団に対し07年12月12日、「公約違反というほど大げさなものなのかどうか」と述べて、反発を浴びた。斎藤さんは、安倍前首相の公約だったことからこの発言が出たとみているが、斎藤さんの見方に立てば、「ツン」も不発だったらしい。

   最近では、中国製毒ギョーザ事件で08年2月28日、日本での農薬混入を示唆した中国に対し、「(中国側は)非常に前向きだ」と述べて、ネットで批判されてもいる。これは、斎藤さんの見方からすれば、中国に親近感がある首相の「デレ」が裏目に出たものか。

   こうした失言と同時に、支持率の低下も目立っている。共同通信社が07年12月15、16日に実施した世論調査では、支持率が前回比11.7ポイント減の35.3%。最近の各社世論調査でも、一部で30%を切り、不支持率が50%を超えるケースもみられる。

   KY言動がきっかけなのか、支持率の低下がKY言動を生んだのか。因果関係はわからないが、クールな中に政策への熱き思いを見せる「ツンデレキャラ」は、最近は影を潜めているようだ。イージス艦事故の問題では、国会の答弁で突然切れたり、目に涙を浮かべたりして、「ツン」と「デレ」がうまく噛み合っていないかのような情緒不安定な様子もみせた。

   なお、ツンデレを広めたとみられる2ちゃんねるのスレでは、「官房長官時代は切れ者って印象だったけどね 要するに仕切りが上手かったんだな 総合的に判断するとか自ら先頭に立って斬り込むとかが下手だ」といった書き込みがあり、福田首相をツンデレとする見方を疑問視する声が多かった。