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エアコン2008年秋から値上げ 他の家電製品に広がる可能性

   家電メーカーにも値上げの動きがじわじわと現れてきた。家庭用エアコンで国内シェア3位の三菱電機は、2008年秋に発売するエアコンの価格を10%程度値上げすることを明らかにしたのだ。さらに、最大手の松下電器産業やダイキン工業も値上げの検討を進めているとされる。「家電は量販店などで安売り競争の過熱が止まらず、値上げが困難だ」(業界関係者)との声がこれまでは多数を占めていたが、鉄鋼や樹脂など原材料価格の高騰で、ついに家電メーカーも値上げの方向にかじを切らざるを得ないのが実情のようだ。

引き上げ幅は平均10%前後になる見通し

   三菱電機は、家庭用と業務用のエアコンすべての機種を値上げする方針だ。引き上げ幅は平均10%前後になる見通しで、機種ごとに引き上げ幅を詰めている。家庭用エアコンについては、松下、ダイキンに加え、東芝キヤリアや日立アプライアンスなども価格の値上げを検討しているとみられ、今秋以降、エアコンの値上げが広がる可能性が高まっている。

   エアコンは一般的に、鉄や銅などの鋼材の使用割合が他の家電製品よりも高いとされている。室外機の外枠などには鉄が使用されているほか、室外機の熱交換機や室内機と室外機を結ぶ配管には銅が使われている。鉄の価格が前年同時期に比べ3~4割上昇、銅も3年前の約3倍に値上がりしている。家電メーカーからは「コスト削減努力は必死に続けているが、最近の原材料価格の高騰をカバーするのはもう限界だ」(家電大手)との声が相次いでいる。

安易な値上げは消費者離れを引き起こすリスクも

   家電販売は通常、量販店が主力となっており、安易な値上げは、消費者離れを引き起こすリスクが大きい。このため、なかなか価格改定には踏み切れないのが実情だ。しかし、エアコンは家庭に設置する際に工事が必要となるため、家電メーカー系列の販売店や住宅設備工事会社などを経由して売られる比率が高い。このため、量販店の販売が中心となる洗濯機や冷蔵庫などに比べて値上げしやすいという事情もあるようだ。

   ただ、洗濯機や冷蔵庫など他の多くの家電製品も、エアコンと同様に、鋼材を大量に使用している。未曽有の鋼材価格高騰で、トヨタ自動車が高級車を中心に国内価格を1~3%値上げする方向で検討を進めているが、自動車業界でもモデルチェンジ時以外での異例の値上げに踏み切ろうとしているのが現状だ。原材料高がメーカーの収益に悪影響を及ぼすのが避けられない中、エアコンの相次ぐ価格引き上げが他の家電製品に広がる可能性も少なくはない。消費者の負担はいっそう高まりそうだ。