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「えー!」アクセス1回で数十円 「Y!ボタン」09年2月に有料化

   「トップページに一発でアクセスできる」として利用者も多い「Y!ボタン」に、通信料金が課金されることになった。利用者は、トップページ1回のアクセスにつき数十円が新たにかかる見通しだ。同社では「サービスの仕様変更のため」などと詳しい説明を避けているが、利用者にとっては、ケータイでウェブを使う際の「入り口」が有料化されることになるだけに、「割高感」を与えることになりそうだ。

定額制加入者への影響は少なそう

09年2月から「Yahoo!ケータイ」トップページが有料化される
09年2月から「Yahoo!ケータイ」トップページが有料化される

   ソフトバンクモバイルは2008年10月31日、同社端末向けポータルサイト「Yahoo!ケータイ」のトップページを閲覧した際の通信料を09年2月1日から有料化する、と発表した。同社の大半の機種には、同サイトにワンタッチでアクセスできる「Y!ボタン」が備えられており、利用者からは利便性の高さが好評だった。

   これまではY!ボタンでYahoo!ケータイにアクセスしても通信料は無料だったが(トップページから別のページにアクセスする場合は、これまでも通信料がかかっていた)これを有料化し、実質的な値上げに踏み切った形だ。

   有料化以降に適用される価格体系は、通常のパケット通信料と同じで、割引プランに加入していない場合は1パケット0.21円。2段階定額制プラン「パケットし放題」の場合は、利用者ごとに決めた上限額に達するまでは、1パケットあたり0.084円が課金される。

   パケット定額制に加入している利用者への影響は少なそうだが、ソフトバンクモバイルの広報部では、

「ニュースの見出しが表示されたりして、アクセスするタイミングによってもデータの量は変わってきますので、データ量の目安は出していない」

としており、具体的にどの程度の値上げ幅になるのかは明らかにしていない。

「サービスの仕様変更、すなわち有料化」??

   ただ、同社端末「911SH」(シャープ製)のY!ボタンを実際に操作してみたところでは、30KB前後のフラッシュのファイルを読み込んだ上で、数KBの見出しの固まりのようなものを複数回読み込んでいる様子だ。これを踏まえると、Yahoo!ケータイトップページにアクセスした際は30KB~50KB程度のデータが転送されているものとみられる。これを「1パケット0.21円」で計算すると、定額プランに入っていないユーザーは、Y!ボタン1回あたりにかかる費用は「50.4~84円」ということになり、割高感が浮き彫りになる。

   NTTドコモKDDI(au)は、いずれもケータイからウェブサイトに接続する際のトップページには通信料を課金しておらず、ソフトバンクモバイルが一足早く有料化に踏み切った形だ。ソフトバンクモバイル広報部では、有料化の経緯については

「サービスの仕様変更、すなわち有料化、としか申し上げられません」

と、詳しい説明を避けている。

   ただし、同社の孫正義社長は9月30日の決算発表会の場で

「ARPU(契約者1人あたりの月間収入)下落に打ち止め感が出てきた」

として、ARPU上昇への期待感を示しており、今回の「Y!ボタン有料化」も、ARPU上昇策の一環とみられる。