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保険金が半分になる可能性も 破たん大和生命

   リーマン・ショックをきっかけに、2008年10月に経営破たんした大和(やまと)生命を、米生保大手のプルデンシャル・ファイナンシャル・グループ傘下のジブラルタ生命保険が引き受けることが決まった。2009年3月2日、大和生命の管財人が同社とスポンサー契約を交わしたと発表した。ただ、大和生命の契約者が受ける保険金は大幅に減る可能性がある。

予定利率の引き下げ3%から1%程度に?

   大和生命の債務超過額は643億円。同社は契約者への保険金支払額を引き下げて債務を圧縮するため、保険金の支払いなどのため積み立ててきた責任準備金(約2550億円)のうち、最大10%をカットして事業を引き継ぐジブラルタ生命に移す。それでも穴埋めできない場合は、生命保険契約者保護機構がジブラルタル生命と大和生命が提出する更生計画に基づいて資金支援。支援額は約300億円とみられる。

   更生計画は現在検討中だが、ジブラルタ生命が引き継ぐ大和生命の保険契約を見直し、予定利率を引き下げることになる。たとえば、大和生命の定期保険は予定利率が3%だが、これを引き下げることになれば、将来受け取れるはずの保険金が減額される。

   生保関係者によると、「予定利率は、契約を継続するジブラルタしだいだが、おそらく1%程度。支払っていた保険料分は戻ってくるだろうが、1000万円受け取れると思っていた保険金が半分、最悪200万円くらいになる可能性もある」と話す。

解約した場合も返戻金がカットされる

   しかも、約14万人の契約者が受け取れる保険金は、その内容によって異なる。生命保険契約者保護機構によると、「過去の例では、定期保険契約よりも年金や終身保険ほど減額の幅が大きかった」としている。また、継続される保険契約の予定利率の水準については、「更生計画が示されるまでわからない」という。

   契約を解約する場合も、保険会社の財産が棄損するのを避けるため、早期解約控除制度によって解約返戻金がカットされるので、解約しづらくなっている。