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博多ラーメンチェーン戦争 絶好調一蘭が一風堂追い上げる

   「ラーメン激戦区」の九州地区で、大手チェーン間の競争が激しくなっている。調査会社が「外食産業売上高ランキング」上位50社をまとめたところ、ラーメンチェーン3社がランクイン。なかでも「一蘭」の伸びが目立ち、首都圏で知名度が高い「一風堂」を激しく追い上げている。

「既存店についても、お客様の数は右肩上がりです」

   帝国データバンク福岡支店は2009年3月4日、「2007年度九州・沖縄地区外食産業売上高ランキング」(単体ベース)を発表した。九州・沖縄地区に本社があり、07年4月~08年3月に決算期を迎えた外食関連企業を調査した。

   発表された上位50社のうち、ラーメン業界からは、「一風堂」を展開する力の源カンパニー(10位)、一蘭(19位)、筑豊ラーメンチェーン「山小屋」を展開するワイエスフード(21位)の3社がランクイン。いずれも、福岡県内に本拠地を置く会社だ。

   特に上り調子なのが一蘭だ。同社の売上高は前年比11.9%増の46億円で、純利益は4億円。前年比で30.7%増だ。同社ではランキングの集計対象期間に3店舗を開業しており、それが売り上げに寄与したと見ている。企画広報部では、

「新規店舗を開業した分、売り上げは伸びています。既存店についても、お客様の数は右肩上がりです。原材料の値上がりなどで原価は上がっているのですが、お客様の伸びで、十分にカバーできています」
と自信を見せている。

   一方、J-CASTニュースが08年3月に取材した時点では「08年中」としていたニューヨーク出店の計画については、

「見直しを進めていて、明確なオープン予定は決まっていません。ただ、少しずつ準備を進めてはいます」

と、半ば足踏み状態だ。

「一風堂」ニューヨーク店は、かなり好調

   一方、首都圏で知名度が高い「一風堂」(力の源カンパニー)は追い上げられる形だ。売上高は67億円で、一蘭の1.5倍程度。ただ、前年比の増加率は6.5%で、一蘭の半分程度。純損益では、3億8000万円の赤字を計上してもいる。

   同社では売り上げの伸びについては、一蘭同様に

「店舗展開を進めたため」

と話す一方、赤字計上の理由については、

「当初は、のれん代の償却を10年かけて行うことになっていたが、会計方針が変わり、これを5年で行うことになったため」

と説明している。

   だが、ニューヨーク出店については、かなり好調な様子だ。08年3月の出店当初は、年間3億円の売り上げを目指していたのに対して、09年3月6日時点で4億5000万円を突破。来店者は20万人を超えたという。

   残る「ワイエスフード」の売上高は前年比2.9%減の41億円で、純利益は同44.6%減の7323万円。減収減益だ。同社は、有価証券報告書の中で、背景として、原材料価格の上昇や人員不足、競争の激化などを挙げている。また、投資有価証券評価損を計上したことなどが響いた模様だ。