J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

「200円台」弁当が続々登場 生産追いつかない店も

   1個200円台のお弁当が全国的にブームだ。メインのおかずに副菜も入っていて、この値段とは思えないボリューム感がある。大手スーパーの西友は298円の格安弁当を2009年4月6日に発売したところ、「売れ行きはかなり好調」だった。地方には1日数百個売れている激安弁当もあり、「生産が追いつかない」といった、うれしい悲鳴も上がっている。

弁当とカップ麺、お茶を買って500円でお釣り

   西友は298円の格安弁当を09年4月6日から全国373店舗で販売している。

   「ハンバーグ弁当」、サーモンをメインにした「サケ弁当」、自社製造の筑前煮をメインにした「和風煮物弁当」の3 種類。約23cm×19cmの容器に、半分にメインと付け合わせ、半分にごはんを詰めた。他の弁当は店内で調理してパック詰めしているが、298円弁当は工場で生産、効率化したことで安さを実現した。

   広報担当者は、

「初日はかなり好調な出だしでした。総菜全体で売り上げ30%アップを目指します」

と意気込んでいる。

   そのほかにも「68 円おにぎり」4 品目を08 年12 月から販売している。今後は揚げ物などの総菜にも広げるという。

   地方でも激安弁当が人気だ。

   青森市の「スーパー福や」は250円弁当を09年2月末から販売している。

   「紅鮭弁当」「ハンバーグ弁当」「唐揚げ弁当」「焼き魚弁当」「肉野菜炒め弁当」の5種類。5品目前後の副菜も入っている。

   お昼時には、同僚の分をあわせて10個近く買う会社員もいる。1日に約400個売れるが、地元紙に紹介されると翌日には1000個に跳ね上がり、店長は、

「反響が大きすぎて、生産が追いつかない」

と悲鳴を上げる。

   同じく青森市で、208円という激安弁当を販売している酒のディスカウントストア「スコール」。08年9月から橋本3丁目の本店と浜館地区店で売り始めた。

   「鮭弁当」「ハンバーグ弁当」など、日替わりでいろんな種類がある。福原政明社長によると「市内弁当屋が350円で売っているレベル」でありながら、群を抜いた安さが口コミで広がり、売上げは右肩上がりだ。2店舗合わせて1日450~500個が売れる。

「お弁当とカップラーメン、お茶を買っても500円でお釣りがきます。サラリーマンが車を駐車場に止めて、車中で食べている姿をよく見かけます」

低価格弁当、コンビニにも広がる

   10年前から変わらず、250円で弁当を売っているのは、千葉県船橋市の「てらおストア」。咲が丘の本店と西船橋店で、「チキンカツ弁当」「鯖味噌弁当」「チキン南蛮弁当」「焼き肉弁当」など10種類を展開する。どれも250円だ。本店では1日平均200~300個、多い時は400個売れる。周りに会社が多い西船橋店は平日に600~700個も出るという。本店店長は、

「肉や油など原材料費が上がっているので、ぎりぎりの状態で続けています。1個あたりの利益は小さいが、数売ることで採算をとっています」

という。

   広島市中区の「生鮮市場GOGOやまぐち」は、1個263円で「鳥唐揚げ弁当」「肉じゃが弁当」「ハンバーグ弁当」「豆腐ハンバーグ弁当」「酢鳥弁当」「塩鯖弁当」「鰻丼」(期間限定)などを販売している。ごはんも250グラムとたっぷり入っている。

   山口利郎社長は、

「安いだけでなく、ほとんど店で手作りしているという点が売りです」

とPRする。

   会社員がまとめ買いしたり、タクシーの運転手も利用し、お昼時には売り場が大混雑する。4年前に売り始めた頃には1日200食程度だったが、今は1日1000食弱も売れている。

   全国的に低価格弁当がブームで、大手コンビニもメニューを増やしている。

   サークルKサンクスは、09年4月14日から380円の「元気応援弁当」を発売する。魚、エビフライ、コロッケ、煮物などが入った幕の内弁当で、広報担当者によると500円相当の中身になっているそうだ。毎月具材を変えて、10月下旬まで販売する予定だ。

   398円のパスタ6種類を3月上旬から発売しているローソン。これまでパスタの中心価格は435円だったが、不景気による消費者の生活防衛意識の高まりを受けて安くした。麺重量を10%アップ(08年比)し、値頃感のあるパスタになっている。