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ゲーム機「iPhone」大ヒット 近い将来「DS」「PSP」抜く?

   アップル社の「iPhone」(アイフォーン)」が携帯型ゲーム機として世界中で大ヒットしているのだという。「iPhone」は2100万台以上売れていると言われ、ゲームを含むソフトのダウンロード数が10億を突破した。携帯型ゲーム機と言えば任天堂の「DS」、ソニーの「PSP」が2強だが、携帯電話でゲームを遊ぶ人口が急増し、近い将来携帯型ゲームは「iPhone」中心になるのでは、という予想まで飛び出している。

ゲームソフトの値段が1000円程度と安い

   米アップルが2009年4月22日に発表した09年1-3月期決算では、「iPhone」は前年同期の2.2 倍の約379万台が売れた。ソフト販売などを含む「iPhone」部門の売上高は4倍にもなった。08年夏に始めた対応ソフトの累計販売が10億本を突破したからだ。うち、3億本以上がゲームソフトの売上と言われる。このソフトが使えるのは「iPhone」と「iPod touch」で累計販売台数が3700万台。うち「iPhone」は2100万台以上といわれている。

    「iPhone」のライバルは、既存の携帯電話だけでなく,今や「DS」や「PSP」などの携帯型ゲーム機なのだそうだ。携帯型ゲーム機並に画面が大きく、画像も繊細で、エンジンも高性能なため本格的なゲームが楽しめるからだという。

   「iPhone」と「DS」の両方を所有している神奈川県の30代男性サラリーマンは、「ゲームはiPhoneだけ使うようになった」という。気晴らし程度で遊ぶため2台はいらない。携帯電話は常に持ち歩くため必然的にゲーム用は「iPhone」になったのだそうだ。

   有利な点は電話としていつも持ち歩くことだけではない。ゲームソフトの値段の安さがある。例えば「DS」は1本あたり4000~5000円だが「iPhone」の場合は高いもので1000円程度。ショップに出掛ける必要が無く、ダウンロードで買える。また、携帯電話ゲームの人気は高まっていて、ここ数年急速に売上げを伸ばしてきた。モバイル・コンテンツ・フォーラムの調査によれば、日本のモバイルゲーム市場は04年に415億円だったのに対し、07年は848億円と2倍以上になった。ほとんどが携帯電話用ゲームの売上げだ。

コナミやセガもiPhone用ソフトを供給

   日本ではコナミやセガといったゲーム業界大手が「iPhone」用のソフト供給を開始している。セガの広報によれば「iPhone」は「有力な市場であることが分かった」のだそうだ。これまで3タイトルを投入し、いずれも人気が高く、その中の「スーパーモンキーボール」(税込み価格900円)は、既に60万本以上も売れたのだという。

   アップルジャパンによると、テレビCMなどで「iPhoneでゲームが遊べる」と打ち出したため、認知度が飛躍的に上がったという。また、有力なゲームメーカーだけではなく、個人レベルでゲームを開発し、インターネットの「App Store」で販売できる取り組みも、続々と人気作が登場するきっかけになっている。ゲームの制作者が自作ソフトの販路を探したり、在庫を抱える心配もなく、価格も自分で決められるなど自由度がかなり高い。そうして販売されたゲームは「App Store」にあるレビューで評価される。

「レビューを読み興味を持ち次々に購入する、というサイクルができてきました。これからも様々なアイディアの新作ゲームが続々と登場します」

   人気はさらに高まるだろうというのが同社広報の予想だ。