J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

マクドナルドとコカ・コーラ 元気の源は「パートナーシップ」

   世界的な景気悪化で、上場企業の2009年3月期決算が7期ぶりの最終赤字に陥るなか、日本マクドナルド日本コカ・コーラが元気だ。「ハンバーガーとコーク」の相性のよさもあるのだろうが、この両社、じつは50年以上のパートナーシップを築いていて、商品開発やマーケティング活動、品質管理にグローバル情報の共有など、お互いが元気でいるために、お互いが有する経験やノウハウを交換し、持ち帰っては生かしていたのだ。

50年以上に及ぶ「パーフェクトパートナー」の関係

ふたりは「パーフェクトパートナー」。がっちり握手
ふたりは「パーフェクトパートナー」。がっちり握手

   日本マクドナルドと日本コカ・コーラは、1971年に東京・銀座にマクドナルドの1号店がオープンしたときから、お互いを「パーフェクトパートナー」と呼ぶにふさわしい仲だ。

   当時はまだ、ファストフードが定着していなかったが、少しずつ消費者に新しい食のスタイルとして、また「ハンバーガーにコーク」の組み合わせも味覚の相性のよさが受け入れられて売上げを伸ばしてきた。日本におけるこれまでのコカ・コーラ製品のマクドナルドでの累計販売量は、昨年末には、60億杯(Mサイズカップ換算)の突破も視野に入る状況になった。

   世界的な景気悪化にあっても、マクドナルドは好調に売上げを伸ばす。先のワールド・ベースボールクラシック(WBC)に協賛し、全店で応援キャンペーンを展開。「侍ジャパン」の世界一に応援で貢献しながら、09年3月の月間売上げは過去最高の496億円を記録した。

   一方のコカ・コーラは言わずと知れた清涼飲料のリーディングカンパニー。全世界で1日に、約16億杯が飲まれている。日本でも、定番の「コカ・コーラ」と「コカ・コーラ ゼロ」が好調を維持。08年度は第3四半期までに、コーク類のケース販売数量で6%増やした。

   両社による協働活動は、商品開発やマーケティング活動、消費者動向の調査・分析、販売促進や品質管理、店内コミュニケーション戦略の策定、グローバル情報の共有など幅広い。しかも、世界規模の協業だ。

   たとえば、コカ・コーラが新製品を発売する際に、マクドナルドの店頭でサンプリングを行い、ハンバーガー類との相性のよいコカ・コーラ製品を調べたり、マクドナルドのCMで露出度が上がっている水泳の北島康介選手は、コカ・コーラと所属契約を結んでおり、同社の社会貢献活動などに協力したりしている。

   両社それぞれに有する顧客層やチャネルを最大限に活用することで相乗効果を発揮する、お互いが成長できる協力関係を築いているわけだ。

サッカーもいっしょに応援

元サッカー日本代表に挑む少年チーム。試合は3-2で少年チームが勝った
元サッカー日本代表に挑む少年チーム。試合は3-2で少年チームが勝った

   マクドナルドとコカ・コーラは、スポーツ支援や社会貢献活動にもいっしょに取り組む。5月26日に東京・品川で開催されたフットサルの親善試合「パーフェクトパートナー2009 マクドナルド×コカ・コーラpresents Coke glass杯」は、元サッカー日本代表の小倉隆史さんと名波浩さんで結成された「コカ・コーラ」チームと、4人の少年サッカー選手で結成された「マクドナルド」チームが戦った。

   この日は、日本マクドナルドの原田泳幸CEOと日本コカ・コーラのダニエル・H・セイヤー社長が見守るなか、タレントの里田まいさんと藤本美貴さんも飛び入り参加で試合を盛り上げた。

   両社はFIFAワールド・カップをサポートしている。また、「コカ・コーラ ゼロ」は今年からJリーグのオフィシャルスポンサーに就き、マクドナルドは年間約250の少年サッカー大会をサポートするプログラムを毎年実施している。お互いがともにサッカーを応援していることから、キャンペーンのスタートにサッカーを選んだ。

   「Coke glass」キャンペーンも、両社が2004年にフランスでスタートした世界規模の協働事業。昨年に初上陸したこのキャンペーンは、500万個が短期間で完売するほどの人気で、09年は新たにライトブルー、パープル、グレーの3色のグラスを用意して、5月28日から数量限定ではじまる。

   互いのパートナーについて、マクドナルドの原田CEOは「両社は50年以上に及ぶ、グローバルパートナー。米国最大、炭酸飲料といえばコカ・コーラという、ベストな関係が培われており、ひと言では語れない」という。

   コカ・コーラのセイヤー社長は「消費者はイノベーションを求めている。マクドナルドとは、そのイノベーションを巻き起こしたいという思いを共有している」と話した。