J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

医学的に立証された育毛剤の使い方 「根気よく続けていく」がポイント

   「お父さん世代」の男性にとって、深刻なのがうす毛の悩み。最近は20歳代~40歳代を中心に気にする人が増えているが、近年は医学的に立証された育毛剤も登場してきた。「いつまでも若々しくありたい」という願望をかなえるには、どういう使い方をしたらいいのだろうか。

男性用ヘアケア、2012年度には4700億円市場に

佐藤院長は「育毛治療は根気よく」と話す
佐藤院長は「育毛治療は根気よく」と話す

   うす毛を気にしている日本人男性は800万人とも、1000万人ともいわれる。20歳代後半の男性が婚活のために育毛治療を受けたり、「結婚式で娘に恥ずかしい思いをさせたくない」という父親もいる。

   うす毛の悩みは、家族や親しい友人にもなかなか打ち明けられない。頭髪を清潔に保とうと熱心にシャンプーしたり、頭皮をたたいて刺激することで血行をよくしたり、ぬり薬に飲み薬…。こっそり、しかし前向きに努力している男性は増えている。

   確かに、育毛剤などの男性用ヘアケア商品の市場規模は拡大している。矢野経済研究所の「ヘアマーケティング総監2008年版」によると、ヘアケア市場は06年度に4147億円だったが、07年度は前年比4.6%増の4338億円と右肩上がりの成長を続け、2012年度には4764億円を予測している。

「育毛治療は効果を実感できることが大事」

   なかでも、最近注目度が増しているのが発毛剤や育毛剤。市場規模は07年度の推計で438億円、2012年予測では480億円を見込んでいる。

   2005年の発売以降じわじわと認知度を高めてきた万有製薬の「プロペシア」はその代表格。世界60か国以上で発売されている唯一の「飲む育毛剤」であり、購入時に医師の処方箋が必要になるにもかかわらず、いまでは年間100億円以上を売り上げる。

   「プロペシア」は、うす毛の主な原因であるDHT(ジヒドロテストステロン)の産生を抑えるなど、効果が医学的に立証されている数少ない育毛剤だ。1日1回の服用で、7割以上の人に改善効果がみられた。

   一方、発売から10年、育毛剤としては異例のヒット商品となった大正製薬の「リアップ」シリーズからは、新商品「リアップX5」が登場した。毛髪の成長促進因子であるミノキシジルを、5倍に増やして育毛効果をさらに高めている。

   「プロペシア」と「リアップ」どう違うのか。東京メモリアルクリニック平山の佐藤明男院長は「どちらが効くということではなく、当院では基本的な治療としてプロペシアを処方していますが、効き方には個人差があるので、患者さんの症状にあわせてプロペシアとリアップを併用することもあります」と話す。

   いずれにしても、育毛治療は効果が出るまで時間がかかる。「効果が実感できず、やめてしまった」という男性は少なくない。治療を根気よく続けていくために、クリニック平山では実際に毛髪が増えていくようすを写真に撮って、患者自身の目で確かめてもらっている。佐藤院長は「育毛治療は効果を実感できることが大事」と説く。

   きちんと治すには、まず病院をたずねるのが近道なのかもしれない。