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「小学5年ぐらいで援助交際」 産科医語る驚愕のSEX事情

   小中学生が買春などに関わっていた事件が分かり、教育関係者にショックが広がっている。ところが、都内のある産婦人科医は、小中学生のセックス事情は教師が知らないほど進んでいる、というのだ。

クラミジアなどの性行為感染症を繰り返す

「今の小学生は、ほんと凄いよ~」

   産婦人科医の赤枝恒雄さんが中学生に聞くと、こう驚くのだそうだ。

   赤枝さんが院長をしている赤枝六本木診療所。夏休みなどが明けた後は、外来の3割ほどが10代の患者になる。

「小学校5年ぐらいで援助交際していた女の子がいたんですよ。タレントの追っかけをしていましたが、いつもパンツが汚れていて、クラミジアなどの性行為感染症を繰り返していました」

   この少女が来院するたび、赤枝さんは、「もうセックスは止めろ」と忠告した。しかし、少女は、その数を減らしたものの、懲りずに繰り返した。その後しばらく、赤枝さんは、少女の姿を見ていない。

   小中学生が援交をしていたという事件が、明るみに出た。神奈川県警が2009年6月24日、無届けの出会い系サイトを摘発。その中で、横浜市内の中学2年生男子が6万円で13歳少女を買春したほか、小学6年生女子がサイトで援交を希望していたことが分かったのだ。

   しかし、赤枝さんは、援助交際は小学5年生ぐらいまで広がっていると言う。

「中学生が驚くくらいだから、性体験は、低年齢化しているということですよ。女子中学生までになると、もう積極的です。この間、高1の男の子と来た中2の子は、膝を使って男の子の股間をこすっていました。男の子は、『性病怖いとこいつに教えて下さい』と笑っていましたよ。いい男の子だったから、よかったんですけどね」

   赤枝さんは、あきれたような様子で、こんな話を明かした。

   7年前からコンドームを使うよう勧めていることから、10代の中絶だけは減ってきているという。

「妊娠しても、産めばいいだけじゃん」

   援助交際は別にして、実際、小中学生のセックス体験は増えているのか。

   日本性教育協会の調査によると、中学生男女の性交経験率は、2005年度は4%ほど。赤枝六本木診療所院長の赤枝恒雄さんは、「最近では、中学生が12%という調査があるそうですよ。すると、小学生は、数%はあるでしょうね」と言う。

   それが、ネットの普及で、援助交際への抵抗もなくなっているらしい。

   ネット上では、女子中学生のことが、頭文字を取って隠語で「JC」とも呼ばれている。出会い系サイトの事件では、横浜市の男子中学生は2月20日、携帯電話からサイト上で「神奈川JC募集。かなり金あるから援交したい人きて」などと書き込んだ。そして、16歳の少女も4万円で買春したという。お金はお年玉を使ったというが、赤枝さんは「数万円というのは特殊な例。高校生同士なら3000円ぐらい、中学生ならそれ以下と聞いています」。

   横浜市教委の担当課長は、事件報道に対し、困惑した様子でこう明かす。

「中学生が買春なんてどうなっているんだろう、とびっくりしています。性の乱れは認識していませんが、把握していないだけかもしれません。フィルタリングなどの啓発活動を浸透させなくては」

   ただ、前出の赤枝さんは、教育現場が対応できないほどセックス事情が進んでいると指摘する。

「学校の先生は、女の子のお腹が大きくなっても、見ていませんね。意外と分かっていないんです。子どもがよく知らないでセックスをする遊びを『くっつけっこ』と言う映画もあるように、アメリカと同様、日本でもセックスのハードルは低くなっています。『妊娠しても、産めばいいだけじゃん』という子もいるんですよ」

   こんなことになった原因はどこにあり、どうすればよいのか。

   赤枝さんは、こう言う。

「親との会話が少ないほど、セックス体験が早まるんです。共働きで忙しかったり、離婚など家庭崩壊があったり。親が見ていないから、寂しくなるんですよ。しかし、『気持ちいい』『楽しい』では、エイズなど怖いことに気づかない。子どものプライベートに踏み込むと先生も怒られるので、会話をもっと増やすよう家庭を立て直すしかないでしょうね」