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新聞・雑誌記者「キャバクラ」接待 民主議員の「汚れた」政治活動費

   民主党国会議員5人の政治団体が、キャバクラやニューハーフショーパブでの支払いを政治活動費として計上していたことが明るみに出た。「打ち合わせの場所として活用」との反論もあるようだが、果たしてそんな場所と言えるのか。

かなりセクシャルなサービス

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「ごく普通のキャバクラですよ。どんなお客さまが来ているかは分かりませんが、みなきれいに飲んでいかれますよ」

   江田五月参議院議長の資金管理団体「全国江田五月会」が2007年中に2度も訪れた東京・西浅草の店では、その様子をこう話す。

   総務省サイト掲載の政治資金収支報告書によると、五月会はこの年の8月17日に組織対策費として6万7730円を、10月13日に交際費として6万7200円をこのキャバクラに支出している。店のサイトを見ると、8月17日の金曜日は、「今年最後の浴衣Day」のイベント日だった。江田議員はこの月の7日から議長に就任しているだけに、お祝いでもしたのだろうか。

   ごく普通とはいうものの、この店は、かなりセクシャルなサービスをしている。最近では、「ワイシャツのみでお出迎え」というイベントがあり、店によると、キャバ嬢が下着の上にワイシャツだけを着て接客するというのだ。中には、「真ん中から割れとるday」のイベントも。「女の子のドレス前がパックリ開いているんですよ。もちろん、下着ではありません」だそうだ。

   いずれにせよ、十分に刺激的で、政治活動の場所に思えないが、どうなのか。

   五月会の事務担当者は、取材に対し、事実関係を認めたうえで、政治活動なのかどうかについて、「判断にお任せします」とだけ話す。このキャバクラには、江田議長は行っておらず、関係者や支援者、関係団体が出たという。キャバクラを選んだのは、こうした人たちの要望もあったからだと説明する。

   団体には税金の政党交付金が間接的に流れているが、事務担当者は、「党から寄付のない年度もあり、交付金を使っているとは考えていません」と言う。ただ、江田議員ホームページの掲示板は批判的なコメントが殺到して炎上しており、「2009年は支出を止めました。ご指摘の趣旨にかんがみ、今後役員と相談したい」と話している。

東京・新宿のニューハーフショーパブにも支出例

   この「キャバクラ会合」では、さらに驚くべきことが明らかにされた。マスコミ関係者も加わって、全国江田五月会の経費で飲み食いしていたというのだ。五月会の事務担当者によると、新聞や雑誌の記者らが出て、同会で領収書を切った。2007年の8月か10月かどちらかの会に出た可能性があるという。

   江田五月議員が議長に就任したことなどの取材だったとしても、キャバクラに行って議員側負担で飲み食いするものなのか。これが取材に当たるかどうかについて、事務担当者は、こちらも「判断にお任せします」と言うのみだった。

   キャバクラなどでの飲食が政治活動になるのかについては、各議員で考えが分かれているようだ。

   この問題を調査報道した毎日新聞の9月30日付記事によると、政治団体からクラブなどへの支出が確認されたある衆院議員の事務所は、「このような費用は個人負担せよとのご指摘はごもっとも。議員から相当額の寄付を(返還分として)受けることを検討したい」と政治活動に否定的。一方、別の衆議院議員の代理人弁護士は、政治活動に当たるとの見解らしく、「いかがわしい風俗店とは違い、打ち合わせの場所として活用している。不適切とは思わない」と同紙にコメントしている。

   ちなみに、民主党議員がキャバクラなどへの支出を政治活動費として計上したのは、毎日によると、03~07年の5年間で計500万円を超えるという。中には、川端達夫文科相の政治団体が東京・新宿のニューハーフショーパブに05年7月28日、8万円を支出した例がある。創業40年の老舗で、ニューハーフによるダンスショーがあるという。

   このほか、ラウンジなど、フロア接客する風営法2条2号店に当たるケースが次々に見つかっており、これらは本当に政治活動の場所なのかどうか。なお、川端事務所の秘書は、ニューハーフショーパブなどに支出について、「これから調査します。法的にはまったく問題はありませんが、みなさんにご心配をかけており、不適切なら収支報告書を修正したい」としている。