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小泉進次郎、総裁より人気 演説上手まで親父を世襲

   小泉ジュニアこと自民党の小泉進次郎衆院議員(28)が、同党総裁を超える人気で話題になっている。その巧みな演説も、やはり世襲議員ならではのものなのだろうか。

   どちらが総裁か分からない人気ぶりだったらしい。

   小泉進次郎衆院議員は、参院神奈川補選に出た自民党公認候補を応援しようと、2009年10月19日に横浜入り。そして、個人演説会のトップバッターとして独特の話術で出席者を引きつけ、同時に出席した谷垣禎一総裁(64)の影を薄くしてしまった。

ジョークで出席者から笑い

ユーチューブ投稿の演説風景
ユーチューブ投稿の演説風景
「8月の衆院選では『何で(人気のない)自民党から出馬するの』と聞かれました」

   日刊スポーツの10月20日付記事によると、進次郎氏は、こんなジョークで出席者から笑いを取った。そして、謙遜しながらも、次のような文句でさりげなく自分をアピールした。

「私は高校野球でも1番バッターでした。主役の4番を盛り上げる役はピッタリ」

   進次郎氏の話は、出席者の笑いと拍手を誘い、終了後は、イケメン好きの女性陣に囲まれ、てんてこ舞いに。握手や記念撮影を求められて、なかなか会場を出られなかった。ところが、総裁の谷垣氏といえば、これとは対照的に、早々に会場を後にしたというのだ。

   こうした弁舌と若さが評価されて、進次郎氏は、新人としては異例の自民党遊説局長代理に抜てきされている。神奈川補選は、その遊説デビューの場であったわけだ。

   進次郎氏は、総選挙の期間中から、その雄弁ぶりが注目されていた。

   選挙戦終盤の8月26日には、世襲批判を逆手に取った街頭演説を地元・横須賀市で繰り広げた。

「父親から手取り足取りは一度もありません」

「面と向かって批判を浴びること、悪口を言われること、こんなのしょっちゅうです。足を踏まれ、うるさいと言われ、中には、世襲反対とペットボトルを投げつけられたこともあります」

   そこからの切り返しが、小泉進次郎氏の持ち味だ。

「それでも、なぜ続けられたのか……それは街頭の皆さんの温かさです」

   地元の人を引きつける話術は、選挙中にたびたび披露している。

「高校野球をやっていたとき以来の汗まみれの毎日でした……でも、それより熱かったのは地元の皆さんの励ましです」
 「生まれて育って、みんなと同じ空気を吸って、皆さんと同じ土地で育って、皆さんと同じ海で泳いで、今日この日を迎えたんです」

   こうした進次郎氏の演説について、支援するある横須賀市議は、「日を追って素晴らしくなっているので、びっくりしています」と話す。「その内容、演説、間の取り方、声といい、最初とは全然違う。政治家らしくなってきました」。

   進次郎氏の手振りや話し方は、父親の純一郎元首相(67)をほうふつとさせる。この点について、市議は「教わったのか分かりませんが、親子ですから、素質もあるんでしょうね」と言う。

   そこで、J-CASTニュースは、進次郎氏の秘書に聞いてみた。

   父親から教わったのかについては、「父親から手取り足取りは一度もありません」と否定。そのうえで、「一番身近なところから学びますから、見て感じたものを実践するよう地道に努力はしています」としている。

   ただ、進次郎氏の街頭演説には、政策への言及が少ないとの指摘がある。これについて、秘書は、「街頭では、動いている人にアピールしないといけませんので、細かい政策より印象が強いことを伝えています。政策については、安全保障、社会保障、環境問題などの方向性は決めており、じっくり話すところでは話しています」と説明している。