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内外タイムス倒産でも 「くだらなさが面白い」サイトだけ存続

   スポーツ紙「リアルスポーツ」を発行している内外タイムス社が2009年11月30日、自己破産申請を行った。リアルスポーツは、新規読者を開拓するため09年6月に「内外タイムス」から紙名を変更したばかり。同紙は11月30日をもって休刊となったが、サイトは「リアルライブ」と名を変え、別会社が運営していく。

   帝国データバンクによると、内外タイムス社は同日東京地裁に自己破産を申請した。負債額は約26億円となっている。

内外タイムス社から完全に分離、単独でサイトを運営

「必ず12月15日より、以前のウェブサイトより増した魅力的な記事等の提供を確約いたします」とのことだ
「必ず12月15日より、以前のウェブサイトより増した魅力的な記事等の提供を確約いたします」とのことだ

   委嘱を含む従業員50人は解雇を通告され、同紙も11月30日付けを最後に休刊となった。しかし、同紙公式ウェブサイトはこの日から、「リアルライブ」と名前を変えた。サイトには、同日付で「重要なお知らせ」という文章が掲載されている。

   同サイトの運営を担当していたウェブ制作会社「フェイツ」の長谷川善人代表名で、リアルスポーツは、リアルライブへと名称を変更し、内外タイムス社から完全に分離、今後は同社が単独でサイトを運営していくことが告知されている。

   企業サイトによれば、フェイツ社の従業員数は50名。東京本社のほか福岡にも支社を持ち、ウェブサイトの制作のほか、アパレル商品のネット販売なども行っている。同社の役員によると、同社は06年から内外タイムスのサイト運営を担当していた。

「システムもドメインも運営費用はフェイツが持ちますが、配信された記事の権利や、広告費の一部はフェイツが頂きます、という契約でした。過去の記事を含め、弊社が権利を持っています」

「いずれZAKZAKを抜ければ」

   このため、内外タイムス社が破産した後も、リアルスポーツで執筆していた外部ライターとの契約を引き継ぎ、サイト運営を続ける。競馬欄がスポーツ欄に吸収されるなど、一部コンテンツの改編予定があるものの

「配信先からも『くだらなさが面白い』と言われていますので、今の路線を続けます。今現在、月間PVはだいたい1000万といったところでしょうか。毎月増えていますし、いずれZAKZAKを抜ければと思います」

と話している。現在引き継ぎ業務中で、12月15日から本格始動する予定。最初は1日12本程度の更新になるとのことだ。

   内外タイムスは、まだ戦後間もない1949年に創刊した。スポーツや芸能、ギャンブルなどに強く、首都圏を中心に、主にサラリーマンを主体とした男性読者に支持されていた。部数のピークは東京オリンピックのあった64年で、70~80万部も発行していたという。しかし、近年は紙媒体からインターネットへのシフトや、景気悪化の影響などにより部数が低迷、今回の措置に至ったという。