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押尾学容疑者が再逮捕 警視庁捜査1課乗り出した理由

   合成麻薬MDMAを使ったとして有罪判決を受けた元俳優の押尾学容疑者(31)が2009年12月7日午後4時頃、警視庁に再逮捕された。警視庁捜査1課が逮捕状を取ってから4日後のことだが、なぜ時間がかかったのか。そして、捜査1課が事件を扱う理由はどこにあるのか。

   逮捕された押尾容疑者は09年8月、東京都港区のマンション内で知人女性(当時30)にMDMAを譲渡した疑いがもたれている。女性は服用後に死亡したが、押尾容疑者は初公判で、MDMAは女性からもらったと主張していた。

「3人一緒に取り調べを開始する必要があった」

   今回の逮捕では、元マネジャー(28)と知人男性(31)の3人が一緒に逮捕された。元マネージャーは死亡した女性の携帯電話を捨てたため、証拠隠滅の疑いがもたれている。一方、知人男性は押尾容疑者にMDMAを渡した疑いだ。

   3人が逮捕されたのは、警視庁が逮捕状をとってから4日が経っていた。なぜ時間がかかったのか。この疑問に、日本テレビ系夕方の情報番組「リアルタイム」に出演した元警視庁捜査第一課長の田宮榮一氏は、「逮捕状は通常、有効期限が1週間なのだが」と前置きして、「逮捕状を準備しておいて、3人の『役者』がそろうタイミングをみていたのではないか」とする。

「この事件は物的証拠と言うよりも、MDMAを『渡した』『渡された』という証言、言うならば人の供述、人的証拠が非常に重要。ですから、3人一緒に取り調べを開始する必要があった」

と説明した。

「女性がなぜ亡くなったのか。解明する必要があった」

   一方、TBS夕方の情報番組「イブニングワイド」に出演した元検事の大澤孝征弁護士は、

「捜査一課が捜査する事件は、殺人や傷害致死、強盗や強姦といった、強力犯と言われるいわば、凶悪犯を専門的に扱っています。ということは、誰かが亡くなったかそれに類する事件が捜査されているということです。(今回の逮捕は、)被害者女性がなぜ亡くなったのか。MDMAが原因であるならば、誰が持ってきて、どうなったのか。これを解明する必要があったのです」

と話す。つまり、今回の逮捕は被害女性がなぜ亡くなったのか、に関する捜査ということらしい。大澤氏は、麻薬や覚醒剤に関する捜査は通常、別の部署が行うものだとした上で、

「押尾容疑者は、前回は自分でMDMAを使用した罪で裁判を受けている。今度は前回(の容疑)とは別に、自分が持っていたMDMAを女性に渡し、彼女の容態が変化した元を作ったのであれば、別の罪ということになる。これが意図的に渡しているのであれば傷害致死罪で、保護責任者遺棄よりも重くなります」

とも述べている。

   被害女性の母親は押尾容疑者逮捕後、娘が死んだ経緯についての真相解明を望む旨を話しているという。