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『THIS IS IT』の美人女性ギタリスト 「正統演奏」が30代以上世代にうける

   故マイケル・ジャクソンさんの映画『THIS IS IT』に出演していた金髪の女性ギタリスト、オリアンティ(25)さんが注目を集めている。ニューアルバムがオリコンランキングで6位にランクイン。1970~80年代ロックの影響を受けたストレートな演奏が特徴で、30代以降の「おっさん」世代に受けているようだ。

   2010年1月27日に国内盤が発売されたオリアンティさんの2枚目のアルバム『ビリーヴ』が2月8日付けのオリコンアルバムチャートで6位に入った。前作が自主製作盤だったため、今作がメジャーデビュー作となる。

男性中心のロック・ギター界に強烈なインパクト

アルバムでは「奇才」スティーヴ・ヴァイとの競演も聴ける。
アルバムでは「奇才」スティーヴ・ヴァイとの競演も聴ける。

   本名をオリアンティ・パナガリスといい、1985年生まれのオーストラリア出身。公式サイトなどによると、ジミ・ヘンドリックスやエリック・クラプトンが好きだった父親の影響で6歳からアコースティック・ギターを弾き始め、11歳からエレキ・ギターに持ち替えた。15歳には学校を辞め、音楽活動に専念。すぐさま頭角を現し、プリンスやZZトップなど、数々の大物ミュージシャンと共演を果たしてきた。

   YouTubeにアップされた動画で、07年ごろから一部の音楽ファンの間で「美人ギタリスト」として知られていたが、一般に知られるようになるのが、09年6月に亡くなったマイケル・ジャクソンさんの映画『THIS IS IT』への出演だ。

   「キング・オブ・ポップ」と呼ばれるマイケルさんの「遺作」として、全世界で大ヒットを記録。その中でも注目を集めたのが、ステージ上でマイケルさんと並んでギターを弾くオリアンティさんだった。男性中心のロック・ギター界の中で、金髪をたなびかせながらの激しい演奏は強烈なインパクトだったようで、同作への出演以来、世界中から取材依頼が殺到しているという。

「女の子なのにおっさんみたいなギタリスト」

   一躍時の人となってしまったオリアンティさんだが、その演奏スタイルは極めて「正統派」だ。

   エレキ・ギターを弾くようになったのは、『哀愁のヨーロッパ』(1977年)で日本人にもなじみが深いカルロス・サンタナの影響だといい、ギターも同じポール・リード・スミスという高級メーカーのものを使用。インタビューでは、サンタナの演奏をビデオテープが伸びきるほど研究したと語り、ブルースをベースにした哀愁漂うフレーズや、弦を弾くピックの角度など随所に影響が見られる。

   その一方で、80年代のヘヴィメタル・バンドやスティーヴ・ヴァイといったテクニカルなものも聴くという。今回の『ビリーヴ』でも、90年代以降のミュージック・シーンでは余り見られなかった細かい速弾きや、右手指で弦を押さえる「ライトハンド奏法」など、熟練を要する技を難なくこなしている。

   そうした70~80年代直系の「王道」を行く演奏で、ネット上でも「女の子なのにおっさんみたいな速弾きギタリスト ギャップが超サイコー」「おっさんの世代にはこの古い感じがいい」といった声が目立つ。30代の音楽業界関係者(男性)も、オリアンティさんの曲をiTunesでダウンロードしたといい

「ワイドショーの『とくダネ!』にも出てましたよね。歌も上手ですし、女性であれだけ弾ければ大したものです」

と話す。女性のロック・ギタリストもいるが、「技巧派」となると近年は希だ。

「70~80年代のロックの影響がストレートというか、そのままの演奏ですよね。ひょっとするとダサくもなってしまうのですが、ルックスが素晴らしい。若者よりも30代以上の層にうけるのではないでしょうか。一発屋で終わる可能性も否定できませんが、今後も大物たちと共演していって欲しいですね」

と語っている。