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「1Q84」続編フィーバー 異例の午前0時書店販売

   村上春樹さんのベストセラー小説「1Q84」の続編「BOOK3」が発売前から人気となり、発行元の新潮社は初版を2回にわたって増刷した。ベストセラーの乏しい昨今、書店はここぞとばかりに張り切り、0時から販売したり、営業時間を繰り上げたりする。

   「1Q84」は「BOOK1」と「BOOK2」が2009年5月に発売され、10年4月までに計244万部を発行した。出版取次のトーハンが発表した「2009年 年間ベストセラー」では1位を記録。それだけに2010年4月16日に発売される続編「BOOK3」への注目は高い。

発売前に2回にわたって増刷

   初版は50万部だったが、発行元の新潮社は4月7日に10万部、13日にさらに10万部と2回にわたって増刷し、70万部を用意した。

   深夜営業の書店では16日午前0時から売り始める。

   「あおい書店渋谷南口店」の店員は、

「24時間営業でも発売日の午前0時に店頭に並べることはめったにありません。100冊用意しました。新刊ではめちゃくちゃ多いです」

と明かす。

   24時間営業の青山ブックセンター六本木店は入り口に特設コーナーを設けて販売する。文芸担当者は、

「入荷数は秘密ですが、純文学では珍しいくらいの冊数です。マスコミの方の問い合わせはすごく来ていますので、当日、どのくらいのお客様が来店するか、楽しみです」

といっている。

   「あおい書店六本木店」と「ツタヤ渋谷店(SHIBUYA TSUTAYA)」も午前0時から売り出す。

「4000冊全部、当日に売り切りたい」

   営業時間を繰り上げる書店もある。丸善丸の内本店は4月16日、朝7時から店の入り口前で販売する。店員は、

「4000冊弱で、新刊ではめったにない数です。『ハリーポッター』シリーズや『ミシュラン』が店前で販売したら飛ぶように売れたので、今回も期待しています。できれば全部、当日に売り切りたい」

と意気込んでいる。

   三省堂神保町本店も4月16日、朝7時から店頭で販売する。さらに購入者にプレゼントする小冊子を数量限定で用意した。村上作品にゆかりのある思想家の内田樹さん、小説家の古川日出男さんのコメントが載っているほか、「1Q84 Location Map」や「1Q84と併せて読みたい一冊」などの特集が盛り込まれている。公式ツイッターでは、「ぜひ早起きしてご来店下さい。中継の依頼もちらほら来て、あわただしく盛り上がっております」とアナウンスしている。

   ネット通販大手のアマゾンには4月14日時点で3万冊以上の予約注文が寄せられた。計2万冊の予約があった「BOOK1」と「BOOK2」を大きく上回る。

   ネット上には「アマゾンと書店とどっちで買おうか」と迷っている人もいる。アマゾンジャパンによると、配達日は早くて4月16日。できる限り発売日当日に届けるように努めているが、必ずしも当日に届けられないことがあり、注文確定画面で「お届け予定日」を確認するよう呼びかけている。