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普天間5月決着「絶望的」 ささやかれ始めた鳩山首相の「次」

   鳩山首相が、いよいよ追い込まれてきた。核安全保障サミットに出席するためにワシントンを訪れた鳩山首相は、夕食会の場で設けられたオバマ米大統領との非公式な会談で、米軍普天間基地の移設先について改めて5月決着の方針を表明し協力を求めたが、進展はなかった。

   普天間問題の5月決着が「無理」な情勢が強まったことで、民主党内でも「ポスト鳩山」がささやかれ始めた。

新聞各紙「移設困難」と報じる

「普天間問題」でいよいよ追い詰められた?鳩山首相(写真は09年12月撮影)
「普天間問題」でいよいよ追い詰められた?鳩山首相(写真は09年12月撮影)

   2010年4月14日付の新聞各紙は朝刊で、「日米会談」が非公式とはいえ、わずか10分で終わり、普天間問題に進展がなかったことを一斉に報じた。

   読売新聞は、社説で「5月決着は実現できるのか」と題し、普天間の米軍基地の移設が「極めて困難な状況」と伝えた。

   朝日新聞の1面には「普天間5月決着 絶望的」の見出しが躍り、毎日新聞は「5月決着 できるのか」と題する社説で「移設は極めて厳しい情勢になっている」としている。日本経済新聞は2面で「日本の決着シナリオ崩壊」と表現した。社説では、「はっきりしているのは、首相が大統領との会談を望んだにもかかわらず、実現しなかったという事実である」と、ギクシャクした日米関係を憂いでいる。

   産経新聞はすでに4月9日付1面で、「5月決着困難に」と第一報を報じた。政府関係者への取材で、政府がホワイトビーチ移設案を断念したことがわかったとしている。14日1面でも「進展なし」を伝えた。会談の内容について米国側は普天間問題にふれておらず、いかに米国の態度が冷ややかだったかがうかがえる。

   どのメディアも、ワシントンでの鳩山首相の「直談判」が不発に終わったと伝えていて、普天間問題の5月決着は「無理」とみている。

   普天間基地をめぐっては、徳之島とキャンプ・シュワブ陸上部への移設案があがっているが、徳之島や奄美群島の12自治体の議会、鹿児島県も猛反対。鳩山首相は基地の移設について、「地元の合意なしに話を進めない」ことを明言しており、また米国側も地元の同意があることが協議に入る「条件」にしていることから、5月末までに、米国と移設先の両方の合意を得るのは現実的にも「絶望的」だ。

民主党内に漏れる「ポスト鳩山」の名前

   普天間問題の5月決着がむずかしくなったことで、日本経済新聞(4月14日付2面)は「民主 5月政局の足音」と、民主党内でささやかれ始めた「ポスト鳩山」のゆくえを伝えている。

   普天間問題の5月決着が不透明ななかで、民主党支持率の下落が止まらないこともあり、民主党内では夏の参院選への影響を心配する声が日に日に高まっている。

   普天間問題の5月決着が「無理」な場合、自民党が鳩山首相の進退を迫り、攻勢をかけてくるのは必至だ。「普天間解散」を示唆する報道もあって、衆参同日選の可能性も浮上する。「鳩山首相では、参院選を乗り切れない」との声が広がっても不思議ではない。

   そうした中で、「ポスト鳩山」として名前があがるのは、菅直人副総理や仙谷由人国家戦略相だ。

   ちなみに、最近の世論調査では自民党の舛添要一元厚労相がトップだ。