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会社出勤前に学ぶ 「朝活女子」急増中 

   早起きして出勤前に講座を受講する「朝活」が若い女性に人気だ。朝活講座を開いているスクールもあり、参加者が殺到している。休日に好きなことを極める「休活」も登場、仕事以外の時間の有効活用に目が向き始めたようだ。

   朝活講座を展開しているのは「丸の内朝大学」。2006年秋から朝活イベントを春と秋に5日間ずつ行っている。08年春のイベントに延べ2万人が参加したことから、09年4月から常設化した。10年春講座の参加者は約500人で、このうち7割が女性だ。

朝なら何にも邪魔されない

   女性が多い理由について丸の内朝大学の広報担当者は、女性のほうが早起きに抵抗が少ない上に、フットワークが軽いからという。

   30歳代が半数で、20歳代と40歳代が20%ずつ占める。働く女性が多く、夜は仕事の都合でキャンセルせざるを得ないこともあるが、朝なら何にも邪魔されないというわけだ。

   10年春講座では14講座を展開している。募集を開始したその日のうちに予約で8割が埋まるほどの人気だ。中でも申し込みが殺到したのは若手の農家を招き野菜について学ぶ講座と、インド人講師によるヨガ講座だ。ミュージシャンに相手の心を動かす発声方法を学ぶ講座や、カレー屋さんを通して経済を学ぶ講座などもある。

「会社に行く前なので頭が疲れるような講座では、起きたくない、行きたくないという気持ちになりがちです。楽しめて役に立つ講座を心がけています」

と広報担当者は話している。

   1講座(全8回~)につき2万円台からと比較的安いのも好評の理由で、毎シーズン通っている人もいるそうだ。10年夏講座の募集は6月中旬から受け付ける。

「休活」で人生を変えられる?

   スクールに通うほど積極的ではなくても、身近なことから朝活を始めている人は意外と多い。エヌ・ティ・ティ・アドが首都圏在住の20~59歳男女668人に行った「朝型生活に関する調査」によると、朝型生活をしていると答えた人は59.9%にのぼり、女性の割合が高い。

   男性は「パソコンでメールをチェックする」「最新ニュースをチェックする」「パソコンでウェブサイトをチェックする」といった情報収集行動が比較的多いが、4割程度にとどまった。一方、女性は「家事をする」が30歳代以上で8割超となり、50歳代で「パソコンでメールをチェックする」と30歳代で「自宅で朝食やお茶をゆっくり楽しむ」がそれぞれ5割を超え、積極的に活動している様子がうかがえる。

   朝型生活を送るのは、「健康によい」(36.2%)、「規則正しい生活を送りたい」(35.2%)といった健康上の理由のほか、「自分の時間を確保しやすい」(34.6%)、「頭や体がスッキリして効率がよい」(32.6%)といった理由も挙がった。調査は2009年11月11日~12日に行われた。

   また最近、休みの日に活動する「休活」という言葉も生まれた。休活のやり方を説いた本『人生を変えたければ「休活」をしよう!』(サンマーク出版)が10年4月10日に発売された。著者の大田正文さんはかつて会社と家の往復をしているだけの生活で、友人は1人もいなかった。それが3年間の休活で1000人以上の人脈を築き、5つの勉強会と交流会を主宰するまでになった。

   休活では好きなことをする。人の話を聞くことが好きな大田さんの場合、社外の勉強会や異業種交流会に参加することから始めたそうだ。家でゴロゴロ過ごしていた人にとって最初の一歩はハードルが高いが、1年のおよそ3分の1を占める休日を使いこなせたら、会社という枠にとらわれず「個人として勝負できる力」を身につけ、ひいては人生を変えることができる、と力説している。