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京都の寺や神社で外国コイン年100キロ 換金できない「おさい銭」どうする

   外国人観光客がたくさん訪れる神社や寺のさい銭箱には、中国、アメリカ、韓国、台湾といった国の外国通貨がたくさん投げ込まれている。ところが圧倒的にコインが多く、日本の銀行では換金できない。どうするのだろう。

   京都府を訪れる国内外の観光客は1996年から年々増え、2008年は前年比4.5%増の7799万人だった。神社やお寺を訪れる外国人も多い。府内の1579神社が加盟する府神社庁によると、おさい銭は外国通貨だけで年間合計100キロ前後にのぼる。

平安神宮、八坂神社、下鴨神社、北野天満宮に多い

   なかでも多く集まるのは、外国人に人気の高い平安神宮、八坂神社、下鴨神社、北野天満宮。米ドルが多く、最近はアジアの観光客が増えて、中国の人民元や韓国ウォン、インドネシアのルピアなどいろいろだ。

   外国通貨が多いことについて、府神社庁の中森圭治さんは、

「日本人が日本円を入れるように、外国人も普段、自分達が使っている通貨を入れたいと思うからではないか」

と言っている。

   ところがせっかくのさい銭も、コインは銀行で換金できず、長い間、各神社に保管されていた。府神社庁は「外国通貨とはいえ、気持ちがこもったお金には変わりありません。有効活用できる方法はないか」とし、外国通貨も受け付けている日本ユニセフ協会に寄付することにした。06年から毎年続けている。

浅草寺には100元札も入っている

   東京・浅草の浅草寺にも、さい銭箱に外国通貨がたくさん投げ込まれている。浅草寺の会計部担当者は、

「数えてはいませんが、かなり大量です。約20年前から見られるようになって、最近は中国の人民元が圧倒的に多いです。高額な100元(約1300円)も結構入っていますよ」

と話している。

   米ドル、タイバーツ、香港ドル、台湾ドル、韓国ウォン、シンガポールドルも入っている。ここでも圧倒的に多いのは銀行で換金できないコインだ。ユーロや米ドルはチケット販売業、大黒屋に持ち込み、普通のレートより安いが換金してもらっている。それ以外は日本ユニセフ協会に寄附しているそうだ。