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大嶽親方が妻と離婚へ 「大鵬親方の養子でいられない」

   大相撲野球賭博問題で、解雇以上の処分が検討されている大嶽親方(42)が、テレビ局のインタビューで野球賭博にのめり込んだ経緯や、暴力団との関係について、涙ながらに語った。そのなかで、妻と離婚する決意も明かした。妻は名横綱大鵬の三女。

   大嶽親方は2010年6月29日、2週間ぶりに公の場に姿を現し、テレビ各局のインタビューを受けた。野球賭博を始めたのは3、4年前で、元力士から「遊び半分でやってみないか」と誘われた。

「嫁と相談して離婚することにしました」

   次第にのめり込んでいき、最初は1回1、2万円だった賭け金が、「だんだん額のマルが1つ多くなった」。手持ちの資金がなくなると、大関琴光喜(34)に借金をして、賭博を続けていたとし、琴光喜をかばう姿勢が目立った。さらに、暴力団との関わりについて聞かれると、「全く認識がなかった」と否定した。

   大嶽親方は元関脇貴闘力。1994年に元横綱大鵬の三女と結婚し、婿養子となった。2002年秋場所後に引退し、大鵬部屋の部屋付き親方になった後、04年1月に大鵬部屋を継承した。 10年6月30日放送のフジテレビ系「とくダネ!」の中では、元横綱大鵬の娘である妻と離婚する考えであることを明かした。

「(入り婿で)親方の養子でいることも恥ずかしいので、嫁と相談して離婚することにしました。子どもも15歳になったら、相撲取りになって、大鵬親方の記録を抜きたいという気持ちになっているのに、俺みたいなのがいてもしょうがない」

「子どもっぽい責任の取り方だ」

   家族の話になると、涙がこみ上げ、「ちょっとすいません。(カメラを)止めてもらっていいですか」と撮影を中止するシーンもあった。

   親方の離婚について、コラムニストの神足裕司さんは、「すべての権利を手放す」という親方なりの責任の取り方だったとみる。一方で、復帰が絶望的になった今、こうした責任の取り方は、「損得計算が見え、子どもっぽい虫の良さがある」とも指摘した。親方がインタビューで琴光喜をかばう発言をしたことについても、子どもっぽさがあるという。

「ちょっと昔だったら、男らしいし、許してやれよ、となったかもしれないが、この時代、涙ながらに語られても、見ている人は納得できないだろう」

   大嶽親方は6月28日、日本相撲協会に退職届を提出した。同協会は受理せず、この日に行われた臨時理事会で、大嶽親方と琴光喜に解雇以上の懲戒処分(解雇か除名)を科す方針を固めた。7月4日の理事会で正式決定する。