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ジブリ「アリエッティ効果」 青森「盛美園」に観光客詰めかける

   スタジオジブリの最新アニメ映画「借りぐらしのアリエッティ」の舞台になった青森県平川市の国指定名勝「盛美園」が「映画効果」に沸いている。大阪や熊本など全国から観光客が続々と訪れ、1日に100人を超えるからだ。

   2010年7月17日に公開されたスタジオジブリのアニメ映画「借りぐらしのアリエッティ」の観客動員数が同月17~19日の3連休で100万人を超え、興行収入は約13億5000万円と好スタートを切った。7月20日に発表された同月17、18日の映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)でも初登場1位にランクインした。

3連休に1日150~190人訪れた

「借りぐらしのアリエッティ」に登場する和洋折衷の屋敷のモデルになった「盛美館」(南田温泉ホテルアップルランド提供)
「借りぐらしのアリエッティ」に登場する和洋折衷の屋敷のモデルになった「盛美館」(南田温泉ホテルアップルランド提供)

   「借りぐらしのアリエッティ」は、イギリスの女流作家メアリー・ノートンさんが書いた「床下の小人たち」が原作で、古い屋敷の床下で暮らしている小人の少女、アリエッティが人間の少年に姿を見られてしまうというストーリーだ。

   映画でアリエッティが住んでいる和洋折衷の屋敷や庭園は、国指定名勝「盛美園」(青森県平川市)をモデルに描かれた。清藤盛美氏が9年の歳月を費やして造営し、明治44年に完成した。庭園は3600坪で、その一角に鹿鳴館時代を彷彿させる和洋折衷様式の「盛美館」がある。「盛美園」のスタッフによると、08年にスタジオジブリの社員が旅行に訪れ、その後、映画の舞台にしたいと話があった。

   映画公開後、「アリエッティ」ファンが続々と訪れている。「盛美園」のスタッフは、

「1日あたり100人近く来ています。3連休には1日150~190人で、これまでにないくらい多かったです」

とうれしい悲鳴を上げる。

   中高年に人気の観光名所だったが、映画公開後は学生や若い観光客が増え、大阪や熊本など遠方から来る人もいる。スタッフは、「夏休みにたくさんの方に来園していただきたい」と期待する。

「盛美園」宿泊パックが登場

   弘前駅からタクシーで「盛美園」に乗り付けるお客も増えている。弘前タクシーの社員は、

「県外のお客さんから予約も相次いでいます。先ほども小学生と小さいお子さんに見せたいというお母さんから予約がありました」

と明かす。

   「盛美園」の近くには、ほかにも観光名所がある。タクシーで訪れるお客の多くが、伝統的建造物が残る黒石市の「こみせ通り」や、スタジオジブリのアニメ映画「もののけ姫」の舞台になった白神山地などを回るそうだ。

   青森県平川市役所商工観光課の担当者は、

「盛美園から歩いていけるところに、県内で唯一、蓮の群生が見られる猿賀公園があります。8月中旬まで見ごろです。温泉もあるので、ぜひ盛美園の帰りに寄っていただきたい」

と話している。

   「盛美園」から車で10分の距離にある南田温泉ホテルアップルランドも、「盛美園」の入場料と車の送迎が込みになった宿泊パックを7月3日から始めた。