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「一番上司にしてはいけないタイプ」 長妻厚労相「役人いじめ」の中身

   長妻昭大臣に厚労省職員の多くが不信感を持っていると、各メディアが大きく伝えている。確かに「年金」には詳しいが、「政治主導」の意味を勘違いしているようなのだ。

「一番上司にしてはいけないタイプだと思いますね。職員に対する指示がサディスティックで、パワハラまがいのいじめもあるんですよ」

職員を2時間待たせ、土曜日にもレク

職員には生き地獄なのか
職員には生き地獄なのか

   ある政治部記者は、長妻昭厚労相の資質について、こう手厳しく指摘する。

   新聞各紙によると、厚労省職員の多くが長妻氏に不満らしい。若手職員に長妻氏がやらせた職員アンケートの結果は、なんとも皮肉だった。厚労省の目標として「おごりの一掃」を掲げていたが、なんと長妻氏ら政務三役に「おごりを感じている」という答えが半数を占めたというのだ。つまり上司として、多くの職員がレッドカードを突きつけたことになる。

   このアンケでは、「現実的なスケジュール感の観点から納得のいく指示が示されている」と答えた職員は、わずか1%だ。三役に「速やかに相談できる」も、ほぼ1%。長妻氏自身は、この結果にショックで言葉を失ったのか、「提言した方々の勇気と労力に敬意を表したい」などと語るだけだった。

   長妻氏は日ごろ、職員に対してどう接しているのか。

   前出の政治部記者によると、長妻氏は、「政治主導」実践のつもりなのか、職員のチェックには余念がない。例えば、朝9時半の始業前になると、職員が続々とエレベーターホール前に集まってくるのが、長妻氏には我慢できない。職員に対し、ぎりぎりに来るのではなく、もっと早く来るようにと細かく指図するというのだ。つまり、仕事への姿勢が大事だと言いたいらしい。

   また、職員の使い方が、手荒いようだ。職員を長時間待たせることも多く、大臣レクチャーのため、時間通り午前10時に来ても、2時間も会えないことがあった。レクも、自らの都合から、土曜日に平気でやらせるという。その結果なのか、省庁労組の調べによると、厚労省の残業が1人当たり月平均70時間を超えて最長になった。

介護、雇用などやるべき仕事はいっぱい

   長妻昭厚労相の手荒さは、人事異動でも指摘されている。

   子ども手当担当の局長を、課長級の独立行政法人研究員に出向させて、「事実上の更迭」と話題になったことがあった。長妻氏は、更迭を否定しているが、前出の政治部記者によると、これは異例の事態だったという。

「海外にいる在日外国人の子どもにも手当が出ると、国会で突っ込まれたことがありました。本当は、制度にしなければならないところを急いでやったので、必ずしも職員の責任ではありません。ところが、大臣は、その責任を押しつけたわけですよ。本来は、大臣らが責任を取らなければならなかったはずです」

   この記者は、長妻氏が「政治主導」の意味をはき違えていると指摘する。

「職員は、早く来て座っていればいいわけではありません。出張旅費の請求にもうるさいらしいですが、大臣には、職員のチェックが求められているわけではないと思います。年金ばかりでなく、介護、雇用などやるべき仕事はいっぱいあり、そのためにいい法律を作ることが仕事なのではないでしょうか」

   政治評論家の浅川博忠さんも、同様な見方だ。

「箸の上げ下ろしのような、細かい指示が多いと聞いています。彼は、年金問題で売って大臣に抜てきされましたが、民主党内では当選回数も4回と少なくて、厚労省のほかの問題をあまりよく知りません。しかし、年金問題は、仕事を100として10~15ぐらいです。本当は、当選回数が6、7回で、厚労行政全体に精通した人を選んだ方がよかった。もっと鷹揚に構えてもよいのに、背伸びしないといけないところにギャップが出てきたわけです」