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「プレステ携帯」と「PSP」後継機 ソニーグループ内でなぜ同時期に似たものを?

   ソニー・エリクソンがAndroidスマートフォン「Xperia play」(Xp)の発売を発表したが、これがゲーム機「プレイステーション」の機能を搭載した「プレステ携帯」の登場だとネットで話題になっている。確かに外観やコントローラーなど携帯型ゲーム機「PSP go」によく似ている。

   一方、「プレイステーション」のソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は、「PSP」の後継機「Next Generation Portable(NGP)」(コードネーム)の発売を発表。電話機能は付いていないが、ネットでは、「なぜ同時期に似たものをソニーが発表したのか」「どちらを買ったらいいのか」などと議論が起こっている。

同じゲームが遊べるならどっちを選べば…

ソニー・エリクソンは「Xperia play」をフェイスブックで紹介。
ソニー・エリクソンは「Xperia play」をフェイスブックで紹介。

   英国の携帯電話機大手ソニー・エリクソンは、携帯型ゲーム機と携帯電話を一体化させたスマートフォン「Xp」を発売すると2011年2月7日に発表し、SNS「フェイスブック」の公式ページに「Xp」の写真を公開した。本体はスライド式で、スライドすればゲームのコントローラーが現れる。SCEの「PSP go」とよく似ている。詳細はスペインのバルセロナで2月13日に開かれる同社のイベントで発表される。

   ネットではこの発表を見て「噂されていたプレステ携帯だ」と盛り上がったが、発売するのは「プレステ」のSCEではない。一方でSCEは年内に「PSP」の後継機「NGP」を発売する。この2機種はいったいどんな関係にあるのか、また、同じゲームが遊べるとしたならどっちを選べばいいのか、などといった議論が出た。

   「NGP」は3G回線の通信機能を搭載し、ソフトのダウンロードやユーザー同士の対戦ができるが、電話はできない。電話機能を付けない理由についてSCEの平井一夫社長は2011年1月27日に行われた記者との懇談で、

「エンターテインメントが軸だから、あえて音声通話の機能を入れなかった。また、通話機能を入れてゲーム機の形状を変えたくなかった」

などと話した。ちなみに「NGP」の画像処理能力は「PS3」並になるのだという。また、現行の「PSP」の販売も引き続き行っていくという。

SCEのゲーム配信サイトからゲームを提供

   グループの企業間同士でゲーム機競合は起きないのだろうか。ソニー・エリクソンの日本法人に問い合わせてみたところ、「Xp」はゲームとインターネット、電話ができる製品で、「NGP」はゲーム機に特化している点が大きく異なるという。ゲーム機としての機能の差があるため、「NGP」用のソフトの全てが「Xp」で遊べるとは限らないという。

   「Xp」では、サイト「プレイステーション スイート」からダウンロードして遊べるようになるそうだ。このサイトは過去の名作ゲームをSCEがアンドロイドOS搭載携帯型端末向けに提供するものだ。SCEは年内の展開を予定している。ソニー・エリクソンが独自にゲームを開発したり、ゲームメーカーに新作を提供してもらうかどうかはまだ分からない。

   SCEに同じ質問をぶつけてみたが、同社広報は

「Xpの詳細はまだ発表されておらず、また他社の製品なのでコメントはできかねます」

と話している。