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「どん兵衛」にも震災の余波 一時的にカマボコが消える

   東日本大震災の影響で、日清食品のカップうどん「どん兵衛」から一時的にカマボコが消えた。現在はカマボコ入りのものが出荷されている。

   同社サイトに掲載されているお詫び文によると、カマボコを生産している工場が被災し、一時的に調達が困難な状況になった。

3月下旬生産分でかまぼこ抜き

サイトにはお詫び文が掲載されている。
サイトにはお詫び文が掲載されている。

   震災後即席めんが全国的に品薄となり、これに対応するため一部商品のカマボコ抜き出荷を迫られた。対象となったのは「どん兵衛 きつねうどん」で、東日本向けに静岡工場で2011年3月24~25日に生産したものと、西日本向けに滋賀工場で25日と28日に生産した製品。パッケージの商品説明欄の下部には「震災のため、緊急対応商品(かまぼこ抜き)となります」と書かれている。

   ネットでは4月初めから話題になっていて、2ちゃんねるやツイッターには「かまぼこ入ってなくてあれ?って思ったけど、気のせいではなかったのか」「寂しい」「まじで緊急事態だろ」といった反応が寄せられた。

   日清食品広報部によると、カマボコが入ってない商品は「全体の数量からだとごく一部」だそうだ。既に出荷は終わっており、現在は別の所から調達したカマボコを入れた商品を出荷している。J-CASTニュースも13日午後、都内のスーパーとコンビニを数店確認したが、いずれの店舗でもカマボコが入った「どん兵衛」が売られていた。

福島の乾燥カマボコメーカーが被災

   同社はカマボコの仕入れ先を非公表としているため直接関連があるかは明らかでないが、カップ麺などのインスタント食品に使われる乾燥カマボコの大手メーカーが福島にある。

   このメーカーによると、地震で工場の機械が損傷、3月下旬に復旧したが、福島第1原発事故の影響で出荷したくてもできない状況だという。

「現在、海外にある工場で作らせて日本のお客様にお届けしています。工場のある地域の放射線量は高くないですが、福島県産の食品はやはりマーケットで厳しいです。東京電力が原発を解決することはもちろんですが、国も安全だと言ってくれないといけません。福島の食品業者はみな東電と国に怒りを感じています」