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三谷幸喜夫妻は「猫離婚」 深刻だった「ペットロス」?

   人気脚本家の三谷幸喜さん(49)と女優の小林聡美さん(46)が離婚したのは、ペットの猫がきっかけだった――。こんな記事を女性週刊誌が書いている。もちろん断定できるわけではないが、ペットをめぐる悩みやトラブルは深刻らしいのだ。

「長く生活をともにしている間に、考え方や価値観の小さな違いが積み重なり、それがだんだん大きくなってしまったようです」

猫以外に2人をつなぎ止めるものはなく

   三谷幸喜さん、小林聡美さん夫妻の電撃離婚発表は、2011年5月23日にマスコミ各社に送られた、こんな簡潔な文面だけだった。2人は離婚にはっきりした理由はないとし、会見や取材には応じなかったことから、その原因について様々な憶測を呼んでいる。

   そんな中で、女性セブンの5月26日発売号は、その原因を「やっぱり猫で…」とした。三谷さんが、エッセイ「三谷幸喜のありふれた生活」で猫アレルギーによる結婚生活の悩みを告白していることが指摘の背景にあるらしい。

   記事によると、小林さんは猫好きで、1995年の結婚後から「おとっつぁん」「おっしー」という2匹の猫を連れ込んだ。三谷さんは、猫と接するたびに、くしゃみや目やにが出る症状に苦しんだが、愛妻のために慣れようと必死の努力を続けた。その結果、半年経ってやっと猫がなついて一緒に寝られるようになり、妻の小林さんとのコミュニケーションにも困ることはなかった。

   夫婦間にはその後、亀裂を生みかねないもめ事もあったが、猫が2人の接着剤になっていた。ところが、おとっつぁんが08年夏に死に、おっしーも10年4月にこの世を去った。三谷さんと小林さんには子どもがいなかったため、2人をつなぎ止めるものはなくなった。それが離婚の原因だというのだ。

   この説明によると、夫婦間のもめ事や考え方の違いを超えた「幸せの象徴」が失われたものの、猫が離婚の直接の原因でなかったため、はっきりした理由はなかったということらしい。女性セブンの記事は、2人の出会いがテレビドラマ「やっぱり猫が好き」だったことに引っかけているようだ。

「ペットを飼う夫婦では、離婚原因の2、3割」

   猫などのペットを失ったことがきっかけで、離婚するような夫婦のケースはあるものなのか。

   離婚事情に詳しい夫婦問題研究家の岡野あつこさんは、こうしたケースは増えているという。

「子どもがおられない夫婦は、犬や猫が子ども代わりになっていることは多いですね。2人で育てていくと、それを通じて家族愛が深まることは十分あることです。しかし、ペットがいなくなったとき、違うペットを飼えなければ、家族の終わりになってしまうこともあります」

   それは、ペット以外に結びつけるものがないほど、夫婦間にもめ事や違いがあったときになるようだ。

   岡野さんによると、背景には、子ども代わりにペットを飼う人が増えたことがある。「教育などにお金がかかることもあって、子どもを作らない人が増えています。ペットは子どもほどお金がかかりませんし、ペットOKの住まいも増えてきています。また、子育ては失敗が許されませんが、ペットなら許されます。ペットを育ててから子どもを作る夫婦も増えています」

   ペットが原因で離婚などに至るケースとして、岡野さんは、夫婦のどちらかがペット嫌いで、ペットに焼きもちを焼くパターンもあるとする。「ペットもなかなか、なつかないんですね。ペットながら、そんな人は敵だと焼きもちを焼き、かえって夫婦が仲違いする原因にもなるんですよ」

   さらに、お互いにペット好きでも、ペットを甘やかせすぎるといった育て方の違いで仲違いするパターンもあるという。

   こうしたことから、ペットを飼っている夫婦では、それが離婚原因の2、3割をも占めているそうだ。岡野さんは、離婚を防ぐには、2人の時間を大切にしなければならないと説く。

「夫婦間で、『ノーペットデー』を作らないといけません。それが克服法としては1番だと思います。何でもペット中心では、よくありませんから。2人が仲良くなってこそ、ペットにも愛情を注げるようになります。それは、子育てと同じことですよ」