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サックス奏者・矢野沙織が発言を謝罪 福島物産展で「百姓が可哀想だから被ばくしないといけないのか」

   ジャズサックス奏者の矢野沙織さん(24)が福島県産農作物についてブログに書いた内容が物議を醸し、謝罪する事態になった。

   2011年10月13日付けで「非国民」というタイトルの記事を掲載した。

「放射能を含んでいる可能性のある作物の一切を口にはしたくない」

矢野さんのブログ。
矢野さんのブログ。

   記事によると、少し前、沖縄県那覇市の国際通りで、物産展が開かれていた。夕飯の買い物をしようと、電話をしながら露天を見ていたら「福島物産展」のノボリが見えたので、思わず電話口で「あ、福島産だったわ」と言ってしまったのだという。

   これに、店員の「おじさん」が「おい、ガキ、ちょっと待てや」と言ってきた。矢野さんも「あ、すみません。でも『福島産だった』と言っただけですよ。それにしてもガキっちゅう物言いは気に入らないんだけど。どうかした?」と反論。

   すると、店員が「作った人の気持ちなんか解らないだろう」。再び矢野さんが「お百姓が可哀想だから一億総被ばくをしないと非国民かい?そんな思考はまるで某大戦中だな」と言い放つと、店員はバケツを蹴飛ばしてどっかに行ってしまったという。

   矢野さんは「放射能を含んでいる可能性のある作物の一切を口にはしたくない意志を持っている」のだそうで、福島県産米が出荷可能となったことについても「『米からの放射性物質は検出されませんでした。』と。いや、正直それ嘘だろ、普通に」と書いていた。放射能の恐怖のため、東京出身にも関わらず5月に沖縄に移住したのだという。過去には「放射能恐怖は正義」とも書いている。

「多くの方々に不快な思いを抱かせてしまった」と謝罪

   矢野さんは16歳のころに「天才サックス少女」という触れ込みでデビュー。花王のヘアケア商品「アジエンス」のCMキャラクターを務めていたこともあり、ジャズファンだけでなく一般的な知名度も高い。

   それだけに、ブログの内容が物議を醸すこととなり、2ちゃんねるには「差別意識バリバリだな」「規制値内の食材にケチつけられたら怒るのは当然」と非難の書き込みが殺到。一方で、「福島県産花火でも中止になるご時世口に入れるものはこれくらいの反応が普通」「言ってることは正論」と支持する声もある。

   ただ、「口が悪いな。どっちもどっちだが、自分が有名人だという驕りも入ってる」といった見方が多いようだ。書き込み総数は数千件にもなり、軽い「祭状態」になっている。

   これを受け、14日未明、ブログに謝罪記事が掲載された。「不適切な表現で多くの方々に不快な思いを抱かせてしまったことについて、深くお詫び申し上げます」と謝罪。口論の中身を感情に任せて、大分端折って書き込んでしまったため、「突飛な内容」となってしまったとしている。

   当該ブログ記事は削除されてしまったが「一度発言してしまった事について帳消しになるような事は無いのだ、と今回の事で皆様に勉強させて頂きました。これからは、分をわきまえて物を言おうと切に思っております」ということだ。