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巨人・沢村に「2年目のジンクス」は起きない? プロ野球の投手は早婚ほど成功する

   セ・リーグ新人王の最有力となっている巨人の沢村拓一投手がこの12月に結婚することになった。1年目の23歳だから、まさに早婚。

   実は、好成績を挙げている先輩投手には早い結婚が多い。

ダル、松坂のほか、藤川球児、内海も早い結婚後に開花

   沢村の相手は、日本テレビの森麻季アナウンサーで、30歳。7歳年上である。巨人、日本テレビはいわゆる読売グループ。広義の「社内結婚」といえようか。仕事の付き合いから発展した典型だ。プロ野球の世界では昔から「選手は早婚が望ましい」といわれている。現役投手をみると、なるほどと思わせる成功ケースが多い。

   球界No.1とだれもが認める日本ハムのダルビッシュ有投手は、初めて15勝を挙げ、初のタイトルとなった最多奪三振を獲得した2007年オフに女優とゴールイン。21歳の若さだった。未成年で喫煙問題を起こすなど「やんちゃ坊主」だったが、落ち着く道を選び、エースの座を不動のものにした。球界を代表するクローザー、阪神の藤川球児投手は20歳で結婚。内助の功もあって数年後に開花した。今年、セの最多勝利を取った巨人の内海哲也投手は25歳で家庭を持った。

   日本人大リーガーにもいる。レッドソックスの松坂大輔投手は西武時代の04年、当時日本テレビの柴田倫世アナウンサーと結婚。新郎24歳、新婦29歳だった。07年に渡米したのは周知の通りだが、60億円ともいわれる多額の契約を手にしたから、まさに「福を呼ぶ花嫁」となった。

結婚の最大のメリットは「食生活」

   調整が難しい投手の早婚奨励は、結婚することで安定した私生活を整え野球に専念するべき、という常識的な考え方。とりわけ体力維持のためには食事の充実が重要。最近の独身選手はファーストフードを利用することが多く、「食生活が最大の弱点」と心配する指導者もいる。食力は寿命のカギだから、妻帯の意味は大きい。

   支える夫人も苦労している。とくに就学前の子供がいる場合だ。選手はナイターの日は起床時間が遅いから、泣き声や物音で睡眠不足になることを恐れ、朝から散歩に連れて行く、という話はよく聞く。

   一方、家庭に縛られずに青春を楽しみたいという選手も少なくない。若くて多額の契約金を手にし、面白い遊びがいくらでもある。ネオン街に出れば「こんな世界があったのか」と胸をときめかせる。当然、世の常としてあちこちから誘惑の手が伸びる。

   その対策はどの球団も考えていて、プロ入りするとしばらくは合宿所(独身寮)に入れて管理下に置く。「まず社会常識を教える」というのである。合宿生活は大学出で2、3年、高校出では5年ほど続く。寮長という親代わりが目を光らせる。プロ入りすると選手の親が合宿所を見学するのも、球団が環境に神経を使っていることを示している。大リーグにはない習慣だ。

「男社会」のアマチュア育ちは年上女性に癒される

   沢村のようにプロ野球選手は「姉さん女房」が多いのも特徴である。よく知られる選手ではマリナーズのイチロー。オリックス時代に結婚した夫人は元TBSの福島弓子アナウンサーで沢村ペアと同じ7歳上だ。巨人を辞めた後、タレントに転身した元木大介内野手の夫人は元日本テレビの大神いずみアナウンサーで3歳差。かつて15歳年上の女性と結ばれたスター選手もいた。

   選手のほとんどはアマ時代、男性指導者の厳しい指導を受けている。そのため女性特有の温かさと思いやりに癒しを求める。

   最近、試合前のグラウンドには女性取材者が多い。新聞社の記者あり、テレビ局の記者とアナウンサーあり、メディアの企画で来る女性タレントあり…。華やかである。以前では考えられない光景だ。

   プロ野球選手の結婚にもその時代の特徴がある。昔は宝塚スター、キャビンアテンダント、女優、歌手、今はアナウンサー、タレントが多い。女性にとって高給取りのプロ野球選手との結婚は「玉の輿」ともいえる。

   これから注目されるのは楽天の田中将大投手と日本ハムの斎藤佑樹投手。ゴルフの石川遼も「交際宣言」したばかり。私生活の安定が、先々の選手生命も左右しかねないだけに若きスポーツスターから目が離せない。

(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)