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中国高速鉄道、時速500キロの試験列車公開 地元ネット「高速で天国に行くのか」

   40人もの死者を出した中国高速鉄道が、新たに時速500キロも出るという試験用新型列車を完成させた。事故の原因調査も終わっていないのに開発を進める当局に対し中国のネットでは批判の声も出ている。

   国内外の報道によると、中国の鉄道車両メーカー大手の「中国南車」が2011年12月26日、車両を公開した。

事故の原因調査終わらないうちに新規路線開業

   日本の新幹線「はやて」などをベースに開発した現行の「CRH380A」を更に改良したもので、車両を動かす電力をアップし、空気抵抗を減らすために先頭がとがった独特の形状をしている。中国古来の刀剣に似せたデザインという。

   中国の高速鉄道と言えば、7月に浙江省温州で起きた追突事故だ。40人が死亡し、負傷者も多数出た。事故後の対応も車両をなぜかいったん土に埋めてしまうという不可解なものだった。

   当初9月に予定されていた事故の原因調査報告もまだ出ていないが、12月26日には広東省の広州と深センを結ぶ新たな高速鉄道路線が開業。時速380キロで運行する予定だったが、当面は時速300キロだという。

「またその場で埋めることになると思う」

   事故の原因も明らかになっていないのに開発・開業を続ける当局に対し、中国のネットで賛否両論でている。新路線開通については「便利になって嬉しい」と好意的に見るものもあったが、試験車両に対しては「外見はかっこいい」「中華民族は世界で最も優秀な民族の1つ」といった声もある一方で、

「みんな狂っているのか?事故の傷はまだ良くなってないのにもう忘れてしまったのか?まさか高速で天国へ運転するってこと?そんなに生き急いでいるの?」
「もっと速くなるのか……、どうせまたその場で埋めて恥ずかしいことになると思う」
「偉い人が試しに1年乗って大丈夫だったら乗ってみたい」
「子どもが線路に釘を置いたら大変なことになるな」

といった書き込みも寄せられていた。試験列車なので、実際にこの列車が営業運転に使われることはないが、鉄道のさらなる高速化を危惧する人も少なくないようだ。

   また、時事通信の記事によると、中国南車が「CRH380A」の国際特許取得を米国などで進めていることも判明。2ちゃんねるやツイッターには「こうなることは容易に予想できたはずなのに…」「中国なんかに技術貸与するからこうなるんだ」といった反応が出ていた。