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美女がイケメンを振りまくる 高知県が「小悪魔」ゲーム配信

   高知県の支援によって生まれたソーシャルゲームがリリースされた。「産業創出」を目的に開発されたものだが、お役所主導にも関わらず美女がイケメンを振りまくる、というインパクトの強いゲームで、話題になっている。

   高知県は2012年1月23日、グリーと共同で、携帯向けノベライズゲーム「小悪魔の条件」の配信をSNS「GREE」で開始した。

自分が振った男性をコレクションして小悪魔目指す

「小悪魔の条件」オフィシャルサイト
「小悪魔の条件」オフィシャルサイト

   県はソーシャルゲームでの産業創出を目的に、四国銀行とともに「高知コンテンツビジネス創出育成協議会」を2010年に設立。協議会が2011年に開催した「高知県ソーシャルゲーム企画コンテスト」の第1回締め切り分入賞作品を、県内の開発ディベロッパーがゲーム化した。自治体が開発支援を行った全国初のソーシャルゲームだという。

   お役所主導のゲームというと、どうしても無難でつまらない内容を想像してしまうが、「小悪魔の条件」はかなり強烈だ。容姿にコンプレックスのある女性が、一念発起して美女に変身し、男性を見返すために振りまくる、というストーリーで、

「出会って、キープして、恋をして、最後に振って、また新しい恋へ。 自分が振った男性をコレクションして、立派な小悪魔を目指します」

とサイトでは説明されている。都道府県別に47人のイケメン男性キャラが登場する。他のプレイヤーとイケメンを奪い合うドキドキ感も楽しめるということだ。

   また、音楽は人気RPG「ファイナルファンタジー」シリーズの植松伸夫さんの作曲。ゲームに登場するナビゲートキャラクターのデザインを漫画家の上北ふたごさん(講談社「なかよし」で「スイートプリキュア♪」のコミカライズ作品を連載中)が手がけた。2人とも高知県出身だという。

現在、中学生の企画作品をゲーム化中

   県によると、高知県はやなせたかし氏や、横山隆一氏ら著名な漫画家を輩出してきた経緯があり、「まんが王国 土佐」のスローガンのもと、1992年からプロの漫画家が高校生の作品を審査する「まんが甲子園(全国高等学校漫画選手権大会)」を主催してきた。同甲子園20周年記念として行ったのが「ソーシャルゲーム企画コンテスト」だった。

「シナリオやキャラクターなど、ソーシャルゲームには漫画と共通する要素がある。産業としても、地理的なものが関係ないので、高知県でも出来ると思った」

と県担当者は語る。また、2011年末には「ソーシャルゲーム企画コンテスト」の最終締め切り分の結果が発表され、中学1年生の作品含む2作品が入賞した。その2作品も2012年6月完成を目処に現在開発しているところだという。

   「小悪魔の条件」は基本無料で、アイテム課金制。協議会は月600万円の売上げを目指しているということだ。

   こうした高知県の取り組みに対して、ネットでは「高知県はじまったな!」といった書き込みが寄せられ、ゲームをプレイしたという人からは「男の『未練度』を上げて、一気に振る…!うぅむ、すごいゲームができたもんだ」という感想が寄せられていた。