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中国家電大手ハイアールが日本本格上陸 「AQUA」新ブランドの戦略発表

   日本の白物家電市場に本格参入する中国の家電大手、ハイアールが2012年2月15日、新生「AQUA」ブランドの国内およびグローバル戦略について発表した。

   三洋電機の洗濯機ブランド「AQUA」のもつブランドイメージを踏襲し、そこにハイアールグループが「新風」を吹き込む形だ。イメージキャラクターには女優の小泉今日子さんを起用した。

初年度売上げ350億円、黒字化が目標

「AQUA」ブランドで日本の家電業界に「新風」を吹き込む(写真は、ハイアールアジアインターナショナルの杜鏡国社長(左)とハイアールアクアセールスの中川喜之社長)
「AQUA」ブランドで日本の家電業界に「新風」を吹き込む(写真は、ハイアールアジアインターナショナルの杜鏡国社長(左)とハイアールアクアセールスの中川喜之社長)

   ハイアールは1月5日、三洋電機アクアからの株式譲渡で、社名変更した。「ハイアールアクアセールス」といい、新生「AQUA」ブランドを立ち上げた。

   ハイアールグループの張瑞敏CEOは、「当社は世界白物家電で7.8%のシェアを獲得し、3年連続でナンバー1にあります。日本の家電市場は競争も厳しく、求めている品質も高いですが、アジアのトレンドをリードする市場です。わたしたちも挑戦する気持ちで臨んでいきたい」と、抱負を語った。

   同社では「AQUA」ブランドを洗濯機に加えて、冷蔵庫にも使う。「もともと『AQUA』は空気を使って洗うという斬新なアイデアから生まれた洗濯機の名前です。そういった日本の家電づくりの技術とハイアールグループのグローバルな調達力、情報収集力を結集し、そのシナジー効果で、家電の新しい風になるようなブランドを目指したい」(ハイアールアクアセールスの中川喜之社長)と話す。

   ハイアールは、日本では2002年に販売会社(ハイアールジャパンセールス)を設立しており、冷蔵庫や洗濯機、エアコン、電子レンジなどを幅広く販売してきた。既存のハイアールブランドと「AQUA」の両輪で日本でのシェア拡大を狙う。

   ハイアールアクアは「高付加価値製品」を提供し、初年度の黒字化を目指す。売上目標は350億円、シェア10%で、2015年には500億円以上、15%以上を計画している。

   一方のハイアールジャパンは、ベーシックな商品を展開。12年度の売上目標は150億円で、ハイアールアクアとの合計で500億円の売上げを見込んでいる。

CMに30代女性に圧倒的人気の小泉今日子さんを起用

新生「AQUA」のイメージにぴったりな、女優の小泉今日子さん
新生「AQUA」のイメージにぴったりな、女優の小泉今日子さん

   そんな「AQUA」ブランドのイメージキャラクターに抜てきされたのが、「キョンキョン」の愛称で親しまれ、30代女性から圧倒的な支持を得ている女優の小泉今日子さん。デビュー30周年目の節目を迎えて、新たなスタートに臨む小泉さんと、新たな家電ブランドとして登場する「AQUA」のイメージが重なる形だ。

   「家電に新しい風を。」をキャッチコピーに、「AQUA」のデビューと、ハイアールのモノづくりに込めた思いを表現している、としている。

   一方、ハイアールは東南アジアでインドネシア、タイ、ベトナム、フィリピン、マレーシアの5か国で冷蔵庫など白物家電のほかテレビやエアコンなどを取り扱っていて、1月に日本に設立した「ハイアールアジアインターナショナル」がアジア地域を統括している。

   ハイアールグループ副総裁でハイアールアジアインターナショナルの杜鏡国社長は、「アジアには日本を含めタイ、ベトナム、インドネシアの4か国に製造拠点を有する。その国のニーズを汲み取り、それにあった商品をつくることで、ユーザー、社員、会社がWin‐Winな関係になることを目指していく」と話し、日本や東南アジアでの成長を加速させる考えを示した。