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橋下市長ツイッター・ウォッチ 
「教授」の組織論は課長用 「(市長の)僕に当てはめないでくれ」

   橋下徹大阪市長は、自身のツイッターで、大阪市幹部らへの「メール等調査」に対する批判コメントに反論した。調査は、橋下市長主導で始まり、市職員の選挙活動への関与などを調べている。

   本人了承抜きでメール調査を実施したことから「人権侵害だ」との批判が出る一方、調査の中間報告では、勤務時間中に市長選絡みの業務用メールを市幹部が送り、当時現職だった前市長の面談調整を行ったことが発覚するなどの「成果」も出ている。

教授「敵視して強引に進める手法は健全でない」

   市長ツイッターでは2012年3月3日、「日本には決定できる民主主義が根付いていない」などと、「議論」のあり方について5回ツイートした後、

「日本の議論は、ある主張とそれに対する反対論のみ。最後にどちらかを選ぶというものではない。反対する側は反対するだけ。ではあなたの具体案は?と問うと何も答えられない。僕が言論で批判するのは、日本の民主主義をダメにしている、そして自分では全くそれに気付いていないこういう自称インテリです」

   と、対案抜きの「反対論」を批判した。そして、

「太田肇同志社大教授。組織マネジメントについて語っていますが、この人、首長のマネジメントなんか知らない。首長と中間管理職を同じにしている。平穏な組織で、組織上の仕事をやれば良いのであれば、太田教授のような考え方でも良いでしょう。しかし首長は違う。しかも今の僕の立場はね」

   と続けた。ここで橋下市長が触れた太田教授コメントは、「朝日新聞・橋下番」ツイッターに載ったものだと説明している。見てみると、

「太田教授の話。『労使関係は互いの信頼の上に成り立っており、橋下市長のように一方的に敵視して強引に進める手法は健全でない。業務用メールを極秘に調査したことも含めて、違法ではないということと、組織マネジメントとして適切かは別だ』」
「太田教授のコメントの続き。『今回の調査は短期的な組織の引き締めにはなるかもしれないが、長期的には職員のモチベーション低下や人材流出などの弊害を招きかねない。職員のやる気を引き出し、住民サービスの向上につながるかは疑問だ』」

   と指摘している。

「組合もしっかりと仕事はしてくれているけどね」

   これに対し橋下市長は、先のツイートに続けて、

「大阪市役所という組織は民間企業ではあり得ないほどの大組織であり、しかもやっていることが何十種類の大企業の集まりのようなもの。そして何と言っても、従業員である組織の組合が、僕をトップに就かせないために血眼になって政治闘争を繰り広げた組織。従業員が社長を落とそうとする民間企業などない」
「そんな組織のトップは、太田教授が考えるマネジメント手法なんかでマネジメントはできません。典型的な現実不認識の机上の論。役所の課長に対して講義する論理がそのまま大阪市長に通用するわけがない。役所の組合と血みどろの政治決戦を踏まえた大阪市長と言うポジションは特殊です」

   組織論の専門家である太田教授に対し、大阪市長の「特殊性」を訴え反論した形だ。

   市幹部らへの調査では、職員労働組合の活動実態も浮き彫りにしようとしている。橋下市長と労組との対立構図に注目が集まる中、今回のツイッターでは、労組員への一定の評価にも触れつつ、太田教授コメントの話題をこう締めくくった。

「そうは言っても、組合もしっかりと仕事はしてくれているけどね。ここも太田教授じゃ分からん世界だね。お互いに血みどろの闘いはしたけれど、公の仕事をする立場として仕事はきちんとやる。もちろんいい加減な職員もいますが。太田教授のマネジメント論は、課長用。それを僕に当てはめないでくれ」