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売上693枚でオリコンデイリー3位 CDランキングに意味はあるのか

   オリコンのデイリーランキングで、3位に入った作品が売上693枚だったことが注目を集めている。「CDが売れない」などと言われて久しい昨今だが、余りの売れなさに改めて衝撃を与えている。

   話題になっているのは2012年4月23日付けのオリコンのシングルデイリーランキングだ。

「若者のCD離れがヤバイ」「自作自演で話題になれる」

   上から順番に見ていくと、1位が4月18日に発売されたMr.Childrenの「祈り ~涙の軌道 / End of the day / pieces」で、売上枚数は5891枚だった。

   2位に入ったのが、女性音楽ユニットKalafinaの「to the beginning」(4月18日発売)。ここから売上は927枚とグッと下がる。そして、3位が約3週間前、4月4日に発売されたB'zのシングル「GO FOR IT,BABY-キオクの山脈」で、売上枚数はなんと693枚だった。

   もちろん、デイリーランキング上位の売上枚数は曜日などの条件によってかなり変わってくるが、2位から1000枚以下、3位に至っては700枚を切るというのは相当低い。同じ月曜日の4月16日付けのデイリーランキング3位はSexy Zoneで売上1810枚だった。

   ネットでも話題になり、2ちゃんねるなどに多数の書き込みが寄せられた。「若者のCD離れがヤバイ」「自作自演で話題取れる勢いだな」「月曜日に100万くらい金出して自己買いすればオリコンデイリー2位の称号がもらえるのか」「B'zは3週目だからこんなもんだろうけど、2週目のパフュームやジャニーズがそれ以下ってのもなんかな」と驚愕するものが多いようだ。

AKBとジャニーズ、韓流以外は総じて売れない

   音楽評論家の加藤晋さんも「デイリーとはいえ低い。90年代の感覚からすると2ケタ間違っているのではないかと思ってしまう」と語る。

   2011年の年間シングル売上げはトップ5までAKB48が独占。30位までを見ても、上位は嵐などのジャニーズ勢や東方神起やKARAら韓流などの一部で占められている。

「100万枚を超えるのはAKBだけで、その次にジャニーズと韓流。売れるのはそこばかりでそれ以外は横並びで売れない。メジャー・アーティストでもインディーズレベルでおかしくない、という状況です」

   その上で、「音楽を聴く人が減った訳ではない」とする。電車の中で音楽を聴いている人はたくさんいる。ただ、いまどきポータブルCDプレイヤーで音楽を聴く人は希だ。家でも昔のようにCDプレイヤーで聴くというのではなく、PCの内蔵スピーカーや、こだわる人でもPCに少しいい外付けスピーカーを繋げて聴く、というのが主流になりつつあるという。

「若い人からすれば、結局パソコンやMP3プレイヤーに落とすのだから最初からデータで購入した方がいい。だからCDなんかいらない、ということなのでしょう」

   こうしたデータのダウンロードによる購入は当然ながらCDランキングの数字には反映されない。

「当たり前ですが、CDの売上げは今後もっと落ちますよ。そうなると、売上1000枚以下とかのCDチャートに意味はあるのか。どれだけ多くの人に聴かれているかということを、これまではパッケージの売上で計っていましたが、今後は変わって行くでしょうね」

と語っている。