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野田首相「大飯再稼働すべきと判断」 秋以降も継続して稼働と明言

   関西電力大飯原子力発電所(福井県おおい町)3、4号機の再稼働問題をめぐり、野田佳彦首相は2012年5月6日夕方、記者会見を開き「国民の生活を守るために再起動すべきというのが私の判断」と明言した。今後、立地自治体の理解を前提に再稼働に向けた手続きを進める。

   会見は、福井県の西川一誠知事が6月4日に細野豪志原発事故担当相と会談した際、再稼働に応じる条件として、首相が国民に対して直接再稼働の必要性を説明することを挙げたことを受けて開かれた。

安全判断の基準は暫定的

野田首相は大飯原発について「再起動すべき」と明言した
野田首相は大飯原発について「再起動すべき」と明言した

   大飯原発をめぐっては、免震重要棟が完成していないことなどを理由に、対策の不十分さが指摘されている。野田首相は、

「福島を襲ったような地震・津波が起こっても、事故を防止できる対策と体制は整っている」
「もし万が一、全ての電源が失われるような事態においても、炉心損傷に至らないことが確認されている」

と主張。その上で、

「実質的に安全は確保されているものの、政府の安全判断の基準は暫定的なものであり、新たな体制が発足した時点で安全規制を見直していく」

とし、現段階での安全基準は暫定的なものであることを認めている。

「突発的な停電が起これば、命の危険にさらされる人もでる」

   野田首相が再稼働の理由として強調したのが、電力需給逼迫による停電のリスクだ。原発が電力供給の3割を占めてきたことを念頭に、

「数%程度の節電であれば、みんなの努力で何とかできるかもしれない。しかし、関西での15%もの受給ギャップは11年の東日本でも体験しなかった水準で、現実的にはきわめて厳しいハードル。仮に計画停電が行われ、突発的な停電が起これば、命の危険にさらされる人もでる」

と述べた。さらに、火力発電にシフトすると燃料費が電気代に転嫁されることを理由に、

「夏場限定の再稼働では国民の生活は守れない」

と、秋以降も継続して稼働させる考えを示した。

   大飯以外の原発の再稼働ついては、

「スケジュールありきでは考えない」

としており、中長期のエネルギー計画を8月めどにまとめたい考えだ。