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ツイッターで謎の「ブーム」 「壁ドン」とは何なのか

   「壁ドン」という聞き慣れない言葉がツイッターでブームとなっている。

   壁と、壁に手をついた男性の間に挟まれて、逃げ道を塞がれてしまう――「少女マンガにありがちなシチュエーション」を表した言葉だったのだが、あることをきっかけにして、ツイッターユーザーの間からは奇妙な体勢で「壁ドン」をおこなうアレンジが次々に登場、大喜利のような事態に発展してしまった。

   いったいツイッターでなにが起こったのだろうか。

一部の女性にとっては「憧れ」の「壁ドン」だが…

スタンダード壁ドン
スタンダード壁ドン

   「壁ドン」とは、主に2人の人間が対峙している状況で、一方が壁際に相手を追い詰め、逃げ場をなくすために「ドン」と腕をついて、腕と壁で相手を囲むことを指す言葉だ。集合住宅などで、隣室との間の壁を叩き、抗議の意志を示すことを指すときもある。

   最初の意味については、声優の新谷良子さんが、「萌えるシチュエーション」として、「壁際であたふたしてる女子に対し、男子が両手で『ドン』と壁をつき、逃げ場をなくした後に『黙れよ』と言う」場面を、「壁にドン」という言葉で2008年に紹介したのが起源とされる。

   少女マンガや乙女ゲームなど女性向けの作品で、自信家で高圧的な「オレ様」系の男性が、好意を抱く女性に対してしばしば見せる「ありがち」なシチュエーションということもあって、次第に「壁ドン」と変化して主にネットユーザーの間で定着した。新谷さん筆頭に一部の女性にとっては「憧れ」らしいが、一般には「妄想」の類として扱われるようだ。

   そんな「壁ドン」がこのところツイッターを席巻している。きっかけは、これまた聞き慣れない「蝉ドン」という言葉のようだ。部屋の隅で、壁に両の手足を突っ張った蝉のような姿勢で相手を追い詰める様子を表すらしく、あるユーザーが2012年10月13日に投稿した「壁ドン」を4つに分類する画像で初出した。その常軌を逸した体勢と名前のインパクトはツイッターユーザーに大ウケし、画像はまたたくまに2万回以上もリツイート(引用・転送)された。他には片手で壁をつく「スタンダード」、腕のかわりに足を使う「ちょっとワイルド」、両手で壁をつく「やさしく包み込むよ系」が紹介された。

プテラノドン、天丼、ラドン、西郷どん、アルマゲドン…

   蝉ドンに「壁ドン」の可能性を見出したツイッターユーザーらは、さっそくプテラノドン、天丼、ラドンなどとさまざまなバリエーションを考え、「大喜利」のようにイラストや写真の投稿をはじめた。

   基本的にはそれぞれの形態を生かして相手を壁際に追い詰めているのだが、なかには、西郷どん、アルマゲドンなどとの時空を歪めた共演も見られ、しまいにはドンさえつけば何でもいいというすっかり「カオス」な状況に。17日には「僕は猫ドンがされたいです」という言葉と、猫が壁の隅に積み重なった画像が1万回以上リツイートされた。

   この人気を受けて、名前を入力するだけで「壁ドンしてみた」結果が分かる「診断」もつくられ、今も「壁ドン」で検索すると、結果のつぶやきがツイッターに溢れかえっている。