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「1000万円は自分がなくしたもの」8人名乗り出る 嘘がばれると罪に問われるのかどうか

   広島市安佐南区にある市のゴミ処理施設で、一万円札の束がおよそ1000万円分と1万円札の断片およそ2300枚が見つかった、というニュースが流れた。すると、県内外の8人から「自分が無くしたものかもしれない」という申し出が広島県警安佐南署にあった。

   ネットでは「ウソの申告を警察にした奴は全員逮捕だな」などと盛り上がっている。

粉砕した大型ゴミと混ざって大量の一万円札

   2012年12月17日、ゴミ処理施設のコンベアーに、粉砕した大型ゴミと混ざって大量の一万円札が見つかった。ゴミには、収集車が巡回して集めたもののほかに、個人が車などを使って持ってきたものがあるという。

   安佐南署に話を聞いてみると、「落とし主を探している」というニュースが流れた18日の午後から「自分が落としたものかもしれない」という電話が入り、20日の夕方までに8人、うち一人は県外から申し出があった。この8人に対し、本当の落とし主なのかを調査して返すことになるという。また、落とし主が見つからず約3か月経過すると、拾った人のものになるそうだ。

   ネットでは今回の「事件」について盛り上がっていて、

「嘘ついてる奴は刑務所にぶち込んでくれよ」
「いやいや8人が全員落としたのは本当で、実は8000万円分落ちているんじゃないか?」

といった書き込みが出ている。

宝くじ1000万円当選券には20人が「自分のもの!」

   仮に「自分のものだ」という嘘が発覚すれば、どんな処罰を受けるのか。安佐南署に聞くと、

「全員が『もしかしたら・・・』という感じの申告のため、罪に問うのは難しい」

ということだった。

   今回と似たようなケースが茨城県土浦市で2007年11月にあった。当時30歳の男性が宝くじ売り場に宝くじを提示し当選しているかどうか調べてもらっている最中に、宝くじを置いたまま姿を消してしまった。宝くじは3等の1000万円が当たっていたため、持ち主を探したところ、本人を除く19人もの人が「自分のものではないか」と乗り出た。「家出した息子のものでは」「空き巣に入られ、宝くじ券が盗まれた」などの説明もあったという。そして3人が警察署まで足を運んだ。

   結局、置き忘れた本人が見つかったわけだが、本人と認定される決め手になったのは、売り場で対応した人がこの男性の顔を覚えていたことと、公にはしていなかった情報をこの男性が知っていた事だった。それは、調べてもらった宝くじの枚数は210枚で、その中に6万5000円分の当たり券があった、など。この例を見ても本当の所有者が分かるまでには時間がかかりそうだ。