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アニメのギレン・ザビ名でランドセル寄付 「悪役は絶対こんなことしない」とネット困惑

   アニメの悪役を名乗る人物による「ランドセル」の寄付が相次いでいる。13年1月7日には機動戦士ガンダムのギレン・ザビが、児童養護施設などにランドセルを贈ったそうだ。

   ネットでは、冷酷無比の「悪役」として名高いギレン・ザビがいったいなぜ――などと波紋が広がっている。

「ギレン・ザビはそんなこと言わない」

   熊本県は2013年1月7日、人気アニメ「機動戦士ガンダム」の登場人物「ギレン・ザビ」を名乗る男性が、県中央児童相談所に新品のランドセル2個を贈り物として届けた、と発表した。

   これまでの話を総合すると、贈り物には「ギレン・ザビ」の名で手紙も添えられており、「微力ではあるが、新たな時を切り開く子どもたちのために役立ててほしい」「君には、たくさんお勉強して、たくさんお友達をつくって、幸せになってもらいたい」などと書かれていたそうだ。

   しかし、ギレン・ザビは機動戦士ガンダムでは敵となる「ジオン公国」のトップ。作中では「敢えて言おう、カスであると」といった印象深い演説の口上で知られる。「ヒトラーの尻尾」と称され、父親を殺すなど冷酷な振る舞いで知られる立派な「悪役」だ。

   そのため、ネットユーザーからは、「子どもはギレンなんて知らない」「ギレン・ザビはそんなこと言わない」「ギレンって絶対こういうことしないだろ」といったツッコミが相次いでいる。

ムスカ大佐も「流行のランドセルは嫌いですか?」

   昭和のアニメの悪役キャラクターからランドセルが届くのは今回にはじまった話ではない。

   徳島県の児童養護施設「阿波国慈恵院」には12年11月25日に、天空の城ラピュタのキャラクター「ムスカ大佐」を名乗る人物が「ランドセルを届けていた。ムスカはラピュタ王の座を狙いヒロインを追い回す悪役で、「人がゴミのようだ」といった独特のセリフがネットで人気を博している。朝日新聞徳島総局のツイッターによると、ムスカの口調を模したこんな手紙が添えられていたそうだ。

「Dear:これから小学校へ入学する君達へあっはっは。学校へ行こうというのかね。これから君達の入学を祝って、諸君にラピュタの力を見せてやろうと思ってね。
   これから君達に最高のランドセルを見せてあげよう。このランドセルは君達につけてもらうのをずっと待っていたのだ。ランドセルの『ラン』は『阿波国慈恵院』、『ドセル』は「神様」という意味だ。君達にはこれをつける権利がある。
   このランドセルは心ばかりのお礼だ。ちょっと早いクリスマスプレゼントだと思って、とっておきたまえ。君達が大人になる15年間、お礼は待ってあげよう。そして、15年後のお礼は君達の後輩達に届けてあげたまえ。さあ、何をためらうのです。つけてみなさい。
P.S 流行りのランドセルは嫌いですか? From:Romuska Palo Ur Laputa(完)」

   こうした流れを受けネットでは、「なつかしアニメ寄付シリーズ化しそうだよな」「それはそれで、いい風潮だよな」といった期待も語られていた。