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河野太郎議員、「在日認定」ツイートに激怒 発信者に「法的措置も検討します」

   自民党の河野太郎衆院議員が、自らを「在日認定」したリンク先を紹介したツイッターユーザーに、法的措置も検討すると激怒している。河野氏が在日だったという事実は出ておらず、ツイートは差別につながると考えているらしい。

   日本の武士道を重要視しているというユーザーが、そのツイッター「名も無き侍」で、繰り返しつぶやいたことが河野太郎氏の目に留まったらしい。

帰化人国会議員一覧というリンクが張られていた

ツイッターで激怒
ツイッターで激怒

   そこでは、「在日でも帰化すればOKという意見を見ますが『帰化はあくまでも形でしかありません』」と主張し、帰化人国会議員一覧というリンクが張られていた。

   リンク先のブログ記事は、2011年12月21日に書かれたもので、ある政治団体の機関紙の記事を引用したとしていた。その記事では、日本に帰化した国会議員が挙げられていたとされ、自民党では、河野氏の名が書かれていた。保守系団体の関係者が一覧を入手し、この関係者は「この資料の真実性はほぼ間違いない。火のない所に煙立たずだ」と述べたという。

   これに対し、河野氏は13年4月9日、ツイッターで「謝罪と削除が速やかに行われない場合は、法的措置も検討します」と宣言した。その理由として、ネット選挙が近く解禁されることを挙げており、予想される誹謗・中傷に先手を打っておこうということらしい。

   一方、ツイッターユーザーは、「拡散は中止しましょう」と応答した。「リンク先を作ったのは私ではないのですが、確認が足りていなかった事は反省しています」ともした。そして、繰り返したツイートについて、「削除しておきました。すみません」と謝罪した。

   ただ、ツイートの意図について、「捏造してまで日本を悪者にした反日破壊工作被害にあっているので、主権侵害テロに対し防衛をしているだけ」として、「民族差別や排外主義等は該当しません」と主張している。

自民党の広報本部も「断固たる対応」へ

   政治家を「在日」呼ばわりして、裁判にまでなったケースが過去にはある。

   土井たか子元衆院議長は2006年、月刊誌の記事で「本名『李高順』、半島出身とされる」などと書かれ、ねつ造だと出版社に損害賠償などを求めて提訴した。1、2審とも判決で「明らかに虚偽」として出版社に200万円の支払いを命じ、09年9月29日に、出版社側の上告が棄却されて判決が確定している。

   今回、政治団体機関紙の記事にあったとされる一覧では、土井氏が「本名・李高順」などとして帰化したことが記されており、信憑性には乏しいようだ。

   河野太郎氏が法的措置までほのめかしたことについては、「こういうのどんどん訴えていって欲しい」との声が出た。一方で、「在日じゃないならそう言えばいんじゃないの?」「在日と勘違いされるとそんなに不名誉なの?」などと漏らす向きもあった。

   とはいえ、在日などの差別発言をする人には、自民党ネットサポーターズクラブ会員を名乗るケースが目立つとツイッターで指摘され、河野氏は、「広報本部が断固たる対応をとっていきます」とも宣言した。

   自民党の広報本部では、その対応について、取材にこう説明した。

「会員を名乗って、こうした発言をしている人たちが最近は多くなっていると聞いています。党として、人種・民族差別は容認できませんので、発言を止め、品位を持って活動してほしいと、近くメルマガやツイッターで1万5000人の全会員を対象に注意を呼びかける予定です」

   それでも発言が止まらないようなら、より強い手段も考えたいという。

   ちなみに、前出のツイッターユーザーは、自分は会員ではないと言っている。