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若者に広がるツイッター&LINEの地震怪情報 「貼ると死なない画像」、大震災予言やデマ

「明日の朝の1時30分ぐらいに大型の家具が倒れるぐらいの地震がきます!」
「4月17日にマグネチュード7.5の大地震がおきると確定しています」

   こうした怪情報が、2013年4月13日の淡路島地震以来、ツイッターやLINEを通じて若い世代に広がっている。

   とはいえその情報源は「誰かが言ってたらしい」など不確かなものがほとんど。ほとんど悪質な「デマ」と言っていい内容ばかりだ。

「17日にマグネチュード7.5」??

「これをRTすると 明日、無事に生き伸びれます」と称する画像。複数のユーザーから出回り、のべ1万人以上が拡散した
「これをRTすると 明日、無事に生き伸びれます」と称する画像。複数のユーザーから出回り、のべ1万人以上が拡散した

   大規模な地震の直前には「前震」と呼ばれる、やや規模の小さい地震が起こる例があることが知られている。東日本大震災や阪神大震災でも、その1~2日前に揺れが観測されていた。今回の淡路島での地震についても、将来起こると予測されている「南海トラフ巨大地震」の前兆ではないかと危惧する声は少なくない。

   とはいえ政府の地震調査委員会をはじめ、専門の研究者は引き続き地震への注意を呼びかけつつも、巨大地震との関係については慎重な調査が必要だと口をそろえている。ところがLINEでは14日ごろから、「大地震間近」と称する以下のような情報が広まった。

「明日の朝の1時30分ぐらいに大型の家具が倒れるぐらいの地震が来る可能性があります! これには根拠があります! 東日本大震災では二日前に前震がおこりました(中略)今回の地震もこれが前震災(※原文ママ)の可能性があります 十分な警戒を」
「みなさん 油断しないでください 4月13日の朝に起きた地震を あの地震は余震です 4月17日にマグネチュード7.5の大地震がおきると確定しています 昨日から阿部総理がロシアに行ったのも地震の避難だと言われています」

   上については、前震の事例はともかく「明日の朝の1時30分」という時間はどこから来たのかまったく定かではない。下は前震と余震の混同、「マグネチュード」「阿部総理」といった誤字などさらに怪しい内容だが、にもかかわらず少なからぬ人々がこれを信じている。

「よく分かんないですけど地震の予言者です!」

   中には「それらしい」情報源をつけたものも。

「明日の昼に震度8の地震が大阪に来ると予想されました。予想したのは東日本大震災も予想した人で災害研究をしている東北大学の教授が発表しました」

   しかしこのような発表は確認できないし、そもそもそんな「東北大学の教授」自体存在しない。また「よく分かんないですけど地震の予言者」によるものだとして拡散している、

「4月17日 日本のどこかで震度4以上の地震発生 多分近畿だと思うが。 19日 17日の地震が原因で 南海トラフ、東海トラフのいずれかが発生 幸い、東京ではないため、経済に大打撃だが、なんとかセーフ 死傷者は、過去最大」

なるツイートだが、こちらは単なる2ちゃんねらーが見た「夢」の話だった。

   挙げ句の果てには、「これをRTすると 明日、無事に生き伸びれます」などという画像まで出回る。夕焼け時の波打ち際の写真に、上記の文章を記しただけのものだが、この2日間で1万人以上がリツイートする始末だ。

   今回の「地震怪情報」は、スマートフォンを使う若い世代が主な流布元となった。ITジャーナリストの井上トシユキさんは、

「スマホブームあたりから、怪しい情報と感じても精査せず、『都合のいい』話なら平気で発信してしまうようなリテラシーの低い人がネットに増えた」

と語り、「発言の前には関連するニュースを確認するなど、一度立ち止まって考えることが必要。こうした脇の甘さが、ネット上での詐欺や美人局被害にもつながってきます」と警鐘を鳴らした。