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「2PM」のドームコンサート写真を「コピペ」加工して謝罪 2日間11万人を収容したとの発表は「ウソ」なのか?

   韓国の6人組アイドルグループ「2PM」が東京ドームで2日間公演し、11万人を集めたと公式発表したが、「超満員」だったとしてマスメディアに配られたコンサートの写真に加工が加えられ、同じファンがコピペされ繰り返し登場していることがわかった。

   映画などでよく使われる、エキストラを水増しして見せるような手法だ。「2PM」の所属事務所は加工したことを認め謝罪したが、満席の大盛況だったのは事実だとしている。本当に11万人も入ったのだろうか。

韓国でも「恥ずかしすぎる行為!」「2PMを笑いものにする気か!」

   「2PM」初の東京ドーム公演は2013年4月20日と21日の二日間行われ、両日とも5万5千人を収容したと公式発表された。「2PM」は男臭さを前面に出す「野獣アイドル」として知られ、11年5月に日本デビューした。デビューから僅か2年で東京ドーム公演するのは異例の速さで、メンバー6人は東京ドーム公演を目指してがんばってきたとし、相当な意気込みで臨んでいた。公演終了後は感極まって舞台で泣き出すメンバーもいた。

   そうした中で、所属事務所JYPエンターテインメントがメディアに配った写真が波紋を広げた。超満員でファンが大いに盛り上がっている写真だが、よく見てみると同じ人物が繰り返し映っている。会場にいるファン達の一部分の写真を切り取って、貼り付けたような形になっている。いわゆるコピペだ。ファンが入らなかった座席に貼り付け水増ししたようにも見え、韓国でも「恥ずかしすぎる行為!」「2PMを笑いものにする気か!」などと批判の声が上がった。

   JYPは13年4月24日に公式ホームページに謝罪文を掲載し、補正作業の過程で起こってしまったことであり、メディアに渡すまでの時間が短かったため確認を怠ってしまった、などと説明した。ただし、意図的に大盛況に見せるための演出であることは否定し、発表どおり満席だったのは間違いないことを強調した。

   本当に11万人を収容した大盛況のコンサートだったのか。日本のスポーツ各紙は、20日のコンサートの様子だけを伝えている。

満員に近いくらい客が入っていたのは事実

   サンケイスポーツは、

「Jun・K(25)は5万5000人で埋め尽くされた会場に『めっちゃ広いですね』と大感激した」

スポーツ報知は、

「メンバー1人1人が約10メートルのタワーから登場すると、5万5000人は大歓声」

と4月21日付けに書いている。13年4月22日のフジテレビ系情報番組「めざましテレビ」では、「2PM初東京ドーム11万人を魅了」と伝えていた。カメラが会場全体を映したシーンでは、ぎっしり観客で埋まっているように見えた。

   コンサート事情に詳しい専門家に話しを聞いてみると、東京ドームでコンサートを開催する場合は、アリーナのスペースに1万2千人入れることができて、「超満員」だった場合はスタンドを含め4万6~7千人を上限に収容可能だという。ただし、会場設営の関係で死角になる座席はあらかじめ空けておくこともあるという。それでは今回の「2PM」の場合はどうだったかといえば、

「満員に近いくらいお客さんが入っていたようです」

と話していた。