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フォロワーや「いいね!」が売られている 1000人分が5980円、ヤフオクでも出品続々

   ネット上での発信力の指標だとされるツイッターのフォロワー(登録読者)やフェイスブックの「いいね!」の数の「水増し」が明らかになるケースが相次いでいる。フォロワー数や「いいね!」増加を請け負うと称するウェブサイトが大量に存在するほか、オークションサイトでは、同様の作業を商品として「出品」する人もいる。これらの行為をツイッターやフェイスブックの運営会社は規約違反だとして禁じているが、それでも利用するのは何が目的なのか。

   フォロワーや「いいね!」の数が多いということは、そのアカウントが他の利用者から多くの関心や賛同を受けていることを客観的に示すことにもつながる。だが、ウェブ上をちょっと検索すると、「代行業者」の存在が容易に分かる。

1000増やすのに5980円。多く注文するほど割安に

ヤフーオークションでは「いいね!」を請け負うサービスが多数出品されている
ヤフーオークションでは「いいね!」を請け負うサービスが多数出品されている

   例えばある業者のウェブサイトによると、フォロワーや「いいね!」を1000増やすのにかかる値段は、それぞれ5980円。多く注文するほど、1つあたりの単価が安くなる仕組みで、価格面では比較的手が届きやすそうだ。

   人件費の安い海外で大量にアカウントを作成し、そのアカウントから依頼者のツイッターアカウントにフォローしたり、フェイスブックで「いいね!」を押したりしているとみられる。実際、この業者の「よくある質問」のコーナーでは「いいね!」やフォロワーは外国のもので、特に米国のものが多いことを明かしている。外国人が多いと不自然に思われる可能性については、

「初めに与えるインパクトの大きさを考えると、少ないままより多いほうがインパクトが強いと考えております」

と説明。日本人読者獲得のための呼び水になればよい、と割り切っているようだ。

   サイトの「お客様の声」によると、

「3,980円なのでアジアの人が大半かと思いましたが、アメリカの方が多く質としても悪くなかったです」

という声すらある。

「影ながらの応援ってやつですね」

   利用目的も様々で、

「私は応援しているアイドルが居るので、その人に向けて購入致しました。今では、そのアイドルがグループの中では一番フォロワーが多くなり大変満足しております。影ながらの応援ってやつですね」

という声も。応援の一環として、お目当てのアイドルのフォロワーを増やしているファンもいるようだ。

「水増し」は簡単に見破れる

   ヤフーオークションで検索すると、これらのサービスを「出品」している人が多数ヒットする。価格競争も進んでおり、1000「いいね!」で2500円という値段を付けるところもある。「ユーザーは実在ユーザーです」と、自動で書き込む「ボット」ではないことを強調し、差別化を図る向きもある。

   ただし、このような「水増し行為」は、見破ることも比較的簡単だ。ツイッターの場合は、増えたフォロワーの日頃のツイート頻度や言語を見れば、フォロワーが作為的に増やされたかどうかはある程度分かる。フェイスブックの場合、「いいね!」を押した人の統計を一般利用者も見ることができる。統計では、「人気の都市」の欄は「このページを話題にしている人の数が最も多い市区町村です」と説明されている。日本語しか利用しない人で、この欄に外国の都市が表示された場合、かなりグレーだと言えそうだ。新規「いいね!」の推移をグラフで見ることもできる。ある時期に不自然に増加していたら、「水増し」の可能性がある。

   これらの「水増し」行為は規約違反だと解釈されることが多く、アカウントが凍結される例も続出している。

   7月23日の毎日新聞朝刊によると、こんどの参議院選挙の立候補者の中にも、ツイッターのフォロワーの大半が外国人を名乗るアカウントで占められていることが指摘され、ツイッターを閉鎖した例があったという。