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「泡姫ちゃん」がゆるキャラ?ネットで話題騒然 地元粟島では「ほぼ認知されていない」

   新潟県北部にある小さな島「粟島」の非公式ゆるキャラが、インターネット上で突如脚光を浴びている。

   名前は「泡姫ちゃん」。泡にまみれた裸体でほほ笑み、風俗店でお目にかかる「スケベ椅子」のようなものも描かれている。ソープ嬢を連想するような衝撃的な名前とビジュアルから「これはアカンww」と話題になっているが、公式サイトもなく謎に包まれている。

生みの親「コンセプトは打倒まりもっこり」

ネットで注目の「泡姫ちゃん」(Tシャツプリント/松本さん提供)
ネットで注目の「泡姫ちゃん」(Tシャツプリント/松本さん提供)

   個人のツイートをきっかけに、2013年11月19日ごろからネット上で注目を集めている「泡姫ちゃん」。粟島の公式キャラではなく、島の温泉「おと姫の湯」のオリジナルのゆるキャラという位置付けで、07年に誕生した。以前は缶バッヂもあったようだが、現在は温泉で販売されているTシャツ(3種)があるのみで、公式サイトや着ぐるみなども作られていない。

   温泉のキャラクターとはいえ、「大事なところ」を泡で隠した全裸姿はゆるキャラとはしては異色だ。描かれている椅子もよく見ると中心部がくぼんだ「スケベ椅子」のようであり、ネット上では「これはダメだろww」「椅子からしてあからさま過ぎるわw」「県公認キャラじゃないんでしょ?…だよね?…ね?」とさまざまな声があがっている。

   一体どうやって生まれたのか。生みの親である映像制作集団「シネマ健康会」の代表・松本卓也さんはJ-CASTニュースの取材に対し、「07年当時、粟島を盛り上げる一心で、都内で粟島映画上映会を行い、その販促グッズとして作りました。打倒まりもっこり、というコンセプトを立てた事だけは、ハッキリ覚えております」と制作の経緯を語った。松本さんは東京出身だが、撮影で訪れた粟島に惚れ込み、以来、毎年1回は訪れているという。

   デザインへのこだわりについて聞いてみると「誰からも愛される可愛らしいデザイン、そして良く見るととがった感じ。あれ?普通じゃないぞ、と覚えて頂けるようデザインしました」と答えたのち、「邪道ですみません」と一言。

   粟島は、村上市からフェリーで1時間半ほど。面積約10平方キロ、人口3百数十人という小さな島だ。釣り人や海水浴客が訪れる。郷土料理の「わっぱ煮」(ワッパの器に焼いた魚と味噌を入れ、お湯を注ぎ、さらにそこに焼けて真っ赤になった石を放り込みブクブクさせる)は、新潟名物の1つだ。

   そんな粟島を愛する松本さんは、「島の風土、食べ物…魅力は沢山ありますが、何より惹かれるのはそこに住む島民の方々です。馬鹿な事を企画しても快く?受け入れてくれる度量の大きな島というところです」と素朴な島の魅力を語ってくれた。

温泉の女性「泡姫・・・?ちょっと分からないです」

   実際、島での反響はあるのだろうか。「泡姫ちゃん」に詳しい粟島浦村役場の男性職員にTシャツの売れ行きを聞くと「夏場には海水浴客などが着替えとして買っていくことが多いようです。島で着ている人は・・・数人いますが、特段キャラクターを気に入っているわけではなく、何かのタイミングで買ったものを何となく着続けている感じですね」と笑う。

   インターネット上では注目の的だが、島内では「ほとんど認知されていないと思います。知る人ぞ知る・・・というような存在です」と話す。実際、記者が「おと姫の湯」に問い合わせたところ、電話口の女性は「泡姫・・・?ちょっと分からないです。あ、あのTシャツのキャラクターですか?」と微妙な回答をしていた。また、初めに村役場に問い合わせた際も電話口の男性は「タイボーくん(粟島公式キャラ)ならいますが・・・」と首をかしげていた。

   役場職員に非公式キャラとされているのは「ソープ嬢」のイメージが不適切だからか、と直球で質問をぶつけてみると「いえ、そもそも公認、非公認という話自体が話題にならないもので」との答え。現在まで特にクレームもないそうで、今後も何もなければ現状維持のようだ。ちなみにTシャツは温泉でしか販売されていないが、東京・池袋サンシャインシティで毎年行われている離島PRイベント「アイランダー」には登場するという。今年の開催は11月23日と24日の2日間。非公式といえども観光協会のブース内に並ぶそうだ。